2009 Fiscal Year Annual Research Report
テキスト構造の読解を自らの考えの構築に活かす力を育成する国語科単元開発
Project/Area Number |
21902003
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 秀平 Kobe University, 附属住吉小学校, 教諭
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Keywords | 読解力 / テキスト構造 / 単元開発 |
Research Abstract |
●研究目的 PISA誠査の結果等を踏まえた新学習指導要領で求められている,テキストをもとに自分の考えを構築することまでを含んだ読解力を育成するための単元を開発した。 ●研究方法 生活場面を想定した多様なテキストを教材化するとともに,テキストの読解が,自分の考えを構築するための手段として機能するための単元を構想した。主に,説明的文章の段落構成を活用して,自分の考えを表現する授業において,単元の試案を作成し,試行,評価した。 ●研究成果 小学校国語科の授業「自分が気に入っている給食のおいしさを言葉で表現するための方法」を理解する単元において,説明的文章「すがたをかえる大豆」(光村図書,3年下)を提示し,大豆の調理方法の説明順序について検討する活動を設定した。 従来の読解学習では,テキストの内容を理解することを目的にした読解が多いが,自分が表現したい味覚を言語化するための方法を,テキストから取り出すという学習方法をとったため,子どもが自分の課題に合わせてテキストの段落の順序性を説明し合う姿が見られた。内容理解に主眼を置かず,表現形式の理解に目を向けさせることで,筆者の意図を推測しながら読解し,自らの意図と比較しながら表現形式の効果を検討することができた。そのためには,子ども自身が表現の主体となり,表現形式を必要とする立場に立たせることが重要であり,単元導入において,教師が提示するテキストを読解する意味を理解させることが必要である。 これらの成果については,第25回国語科総合単元学習授業研究発表会(参会者は全国から約140名)において授業公開及び要項(指導案集)として配布することで,小学校の実践者に紹介することができた。
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Research Products
(1 results)