2009 Fiscal Year Annual Research Report
「書く力」育成におけるBerieving Gameの有効性
Project/Area Number |
21907032
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Research Institution | Okinawa Christian Junior College |
Principal Investigator |
新垣 俊 沖縄キリスト教短期大学, 教員
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Keywords | ビリービング・ゲーム / 自己効力感 / 作文教育 |
Research Abstract |
研究目的 アメリカにおける書くことの教育の専門家ピーター・エルボウの理論、ビリービング・ゲームについての研究。ビリービング・ゲームとは、集団の中で自分の意見・書く内容を発見し、さらに自分への信頼を育てていくものだ。「日本語で書くこと」におけるビリービング・ゲームの効果を明らかにすることが目的である。 研究方法 (1)大学生における自己効力感と「書くことへの抵抗感」の関連性 (2)大学生におけるビリービング・ゲームによる「書くことへの抵抗感」の軽減 (3)大学生におけるビリービング・ゲームによる「自分や他人に対する信頼」の変化 (4)高校生における自己効力感と「書くことへの抵抗感」の関連性 上記4点について研究をおこなった。(1)と(4)は質問紙法による量的研究。(2)はビリービング・ゲームと対象的な手法であるダウティング・ゲームとの比較を質問紙法によりおこなった量的研究。(3)はPAC分析による質的研究。 研究成果 大学生も高校生も、効力感が低い人は書くことが苦手であることが数値的に明らかになった(書くことへ意識と効力感には正の相関がある)。効力感が低い人ほど書くことに抵抗があり、文章を人に見られたくないと感じている。 また、批判したり教えたりするダウティング・ゲームに比べて、ビリービング・ゲームでは書くことへの抵抗感を軽減することが明らかになった。特に効力感が低いグループにおいては、書くことへの意識の上昇が、統計的に有意な変化として顕著な形であらわれた。 さらに、質的研究によりビリービング・ゲームの「自分や他人に対する信頼」を高める効果が確認できた。 結論として、教えたり批判したりするよりも、「自分や他人に対する信頼」を高めるビリービング・ゲームを行うことが書く力の育成に有効だと言える。
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