2009 Fiscal Year Annual Research Report
地方自治体における行政経営品質と職員のモチベーションに関する研究
Project/Area Number |
21912006
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Research Institution | 北海道剣淵町役場 |
Principal Investigator |
西岡 将晴 北海道剣淵町役場, 剣淵町経済課, 地方公務員
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Keywords | 行政評価 / 経営品質 / モチベーション |
Research Abstract |
〔研究の目的〕 本研究では、経営品質プログラムの考え方を取り入れ、行政の効率化とその向上をめざす自治体(担当者)を対象にヒアリングを実施し、その有効性の分析を行い、地方自治体における経営品質プログラムの導入後の課題等についての調査を行う。特に、導入自治体の職員のモチベーションについての考察を行い、より効果的な行政展開を目指すための糸口にするものである。また、職員が仕事にやりがいを感じ、所属組織に誇りを持ちながら住民に質の高い行政サービスを提供するためには、職員の学習的で内発的な行動が不可欠であり、職員を最初の顧客と捉え、職員の満足が質の高い行政経営を担保するための大きな要素であること確認したうえで、これからの行政評価をどのように運用していくべきかについて考察を加え、提言を行うことが本研究の目的である。 〔研究成果〕 行政評価は行政経営品質を不可欠としていないが、行政評価システムを中核とした行政評価を展開している自治体においては、同プログラムは、行政内部での対話や議論において、組織を活性化するための有効な方法として、補完的、発展的な役割を果たしていくと思われる。また、同プログラムは、経営志向、革新志向、戦略志向的な側面が大きく、総合計画の作成やローリング活動に革新性を与える要素を多分に含んでいる。 行政経営品質を導入している自治体は、他の行政評価に後進的な自治体にとって格好の手本となるだろう。 また、行政が多くの気づきを得るための対話や議論を生み出すシステムを得ることは,行政組織をすばやく環境の変化に対応できる組織にする。同プログラムは、組織改革のツールであり、その過程で得られる職員の意識改革や業務改善などの副産物が重要であると思われる。特に、ISO9000シリーズなど他の行政評価を補完するプログラムと違い評価のプロセスを重視している点において優位性がみられた。 同プログラムの行政評価への広がりについては、非常に時間がかかるかもしれないが、導入後数年では成果が見えにくく、継続した取り組みの積み上げが必要である。
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