2009 Fiscal Year Annual Research Report
合成洗剤を測定試料に用いた電気化学測定法による界面化学実験の開発
Project/Area Number |
21915010
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
大西 康幸 Nara National College of Technology, 技術支援室, 技術専門員
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Keywords | 電気化学 / 界面化学 / 電極電位 |
Research Abstract |
【目的】合成洗剤を測定試料に用いた電気化学的手法による界面化学実験の開発を行った。 【実験】(1)洗浄が容易な測容器の製作を行った。 (2)白金、チタン、黒鉛の作用電極の製作を行った。 (3)合成洗剤(洗剤)の臨界ミセル濃度(C.M.C)の測定を行った。 硫酸カリウムを基礎液とした洗剤について以下の測定を行った。 (4)サイクリックボルタンメトリー。 (5)クロノポテンショメトリー。 (6)試料片に吸脱着した洗剤の測定。 (7)比較のため界面活性剤についても同様の測定を行った。 【結果と考察】(1)分割型にすることで洗浄が容易になった。 (2)ディスク電極にすることで強度が増し前処理も簡便になった。 (3)洗剤濃度が0.01%付近でC.M.Cが観測された。 (4)洗剤濃度が0.01%以下で白金電極では、酸化層領域で電流値が増加を示しその値は比例的に変化した。この結果から洗剤と白金酸化層との反応や電極反応過程について考察することができた。他の電極ではこの傾向は観られなかった。 (5)洗剤濃度が0.01%以下で白金電極は1.5V付近に電位停滞が観られ、その後貴な電位に遷移しその停滞時間は比例的に変化した。この結果から洗剤濃度が測定できる新規分析法が示唆された。黒鉛電極では2.2V付近から卑な方向に徐々に遷移し電位停滞は観られなかった。このことから黒鉛への吸着力を考察することができた。チタン電極ではこれらの傾向は観られなかった。 (6)0.01%の洗剤が吸着した試料片の洗浄液についてクロノポテンショメトリーを行い(5)との比較から残留する洗剤量について考察することができた。 (7)界面活性剤も上記と同様の傾向を示した。 これらの結果の一部を学生実験に適用したところ界面化学に対する学生の興味を惹きつけることができた。今後、安全性や環境への負荷を考慮した実験書の作成について検討を行う。
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Research Products
(4 results)