2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21918004
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Research Institution | 利府町立菅谷台小学校 |
Principal Investigator |
成田 智哉 利府町立菅谷台小学校, 公立小学校教諭
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Keywords | 警告色 / オオゴマダラ / 幼虫 |
Research Abstract |
○研究の目的 保護色をもつ幼虫とオオゴマダラ等の警告色をもつ幼虫を比較させた上で,体色の環境とのかかわりを追究させ,生存戦略についても考えさせる授業プログラムを実践的に開発することが本研究の目的であった。 ○研究の方法 複数種の幼虫を体色・形態等,共通点と差異点を認識できるように観察させたり,結果を比較させ多様性の要因と成育環境のかかわりを考察させたりした。これらの授業記録,児童の観察記録を分析し,幼虫の生存戦略を考察させる授業プログラムの有効性を探った。 ○研究成果 1モンシロチョウの幼虫を観点を定めて観察する授業実践を行った。比較対象としてアゲハチョウの幼虫を観察させ,接写画像や拡大画像を利用しながら体色・形態の共通点や差異点に気付かせた上で,その理由を考察させた。 授業記録から,児童が「体色や形態が幼虫の成育環境に適している」という考えもったことが分かった。また,3年生の国語科の教科書(東京書籍)に掲載された保護色に係る説明文「自然のかくし絵」を同時期に指導することで,幼虫の保護色という生存戦略についての理解を深化させた。 21で習得した考え方を児童に活用させ,「警告色」をもつオオゴマダラの幼虫の体色に特化した授業実践を行った。児童は保護色と異なる目立つ色に疑問をもち,「気持ち悪く見せる」「毒があることを知らせる」など外敵から身を守るための生存戦略を推論し,警告色という概念を獲得させることができた。 3上記1,2の実践から幼虫の体色の比較は,昆虫の環境への異なる生存戦略を比較・考察させ,生存戦略を相対的に理解させる上で有効であることが明らかになった。 また,オオゴマダラは,(1)特徴的な警告色を有する。(2)寒冷地でも温室で飼育でき生存期間が長い。(3)食草が寒冷地では生育不可能で国内外来種になり得ない。等の理由から比較に用いる教材として有効であることも明らかになった。
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Research Products
(1 results)