2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21919001
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Research Institution | 栃木県立宇都宮工業高等学校 |
Principal Investigator |
蓮田 裕一 栃木県立宇都宮工業高等学校, 教員
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Keywords | 高クロム鋼 / CBN砥石 / 研削加工 |
Research Abstract |
1研究目的 鉄鋼の圧延ロールには耐摩耗性に優れる高クロム鋼が実用されているが、圧延ロールが摩耗し、形状変化が著しくなると作業を止め、ロールを外し再研磨するため、世界中で高クロム鋼の高能率な精密研削加工技術の解明が望まれている。本研究では耐摩耗性に優れるメタルボンドのCBN砥石を用いて、高クロム鋼の精密研削加工を行い,加工条件と仕上げ面性状の関係を明らかにすることを目的とした. 2研究方法 本校内にある平面研削盤を用いて,生徒と共に各種高クロム鋼と普及が進みつつあるハイスの精密研削実験を実施した。研削除去量の増加に伴う加工面の表面粗さ・砥石摩耗などを測定し、加工条件と仕上げ面性状の関係を明らかにする。栃木県産業技術センターで電子顕微鏡を用いた砥石表面の性状変化の観察を行い、砥粒の変化についても考察した。 3研究成果 (1)メタルボンドCBN砥石の場合、クロム鋼では安定した研削が実施されていることが伺われるが、バナジウム炭化物やタングステン炭化物は極端に硬く、CBN砥粒に微小割れが生じるため、SKH10の摩耗が多くなることを明らかにした。 (2)5Cr鋼の表面粗さはほぼRz=2μmの値を安定して保持しているが、10Cr鋼・5Cr-0.4V鋼・5Cr-1.0V鋼は研削除去量の増加と共に漸増していく。SKH10被削面に焼けが見られたが、他の材料には焼けやうねりは認められない。 (3)Cu-Sn系メタルボンドのSnの含有量を調節したCBN砥石を用いることにより、従来用いられている普通砥石やレジンボンドCBN砥石による低能率な加工を改善することが出来た。 (4)日本機械学会で高校生が学術論文発表を実施し、高評を得た.研究成果をもとに生徒たちはAO入試で金沢大・宇都宮大・福島大に、推薦入試で山形大に合格した。
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Research Products
(2 results)