2009 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム-ダイヤモンド放熱基板の製作と伝熱の可視化計測
Project/Area Number |
21919018
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 茂 Kumamoto University, 工学部, 技術職員
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Keywords | 放熱基板 / ダイヤモンド / 種撃波 |
Research Abstract |
【研究目的】 火薬類の爆発によって生じる瞬間的な衝撃エネルギーを利用して、アルミニウムとダイヤモンドの複合材料を製造できる。本方法は一種の冷間加工であるためダイヤモンドのグラファイト化を防ぐ事が可能であり、母材アルミニウムの熱特性の向上により放熱基板として様々な熱交換器への応用が可能である。 【研究方法・計画】 本研究に於いては、評価の簡便さを考慮し、50mm×50mm×1.5mmのアルミニウム板と数種類のダイヤモンド粉末粒子を実験対象とした。実験方法は、ダイヤモンド粉末を2枚のアルミニウム板で挟み、上方から水中衝撃波を負荷するものである。最近の研究に於いて、新たにわかった課題では、(1)200μm以上の深さではダイヤモンドの体積含有量が低い(2)熱電対を使用して板厚方向の熱伝導率は測定可能であるが、基板表面を伝わる熱伝導の評価が出来ていない、この2点に重点を置き、ダイヤモンドの粒子サイズを変化させる実験及び、サーモグラフィーカメラを使用した伝熱の可視化計測等を行った。 【研究結果】 ナノサイズのダイヤモンド粒子を使用すると、アルミニウムとの複合化は起こらない事が分かった。衝撃波を負荷しても粒径が小さいため、ただ圧搾されるだけであった。ダイヤモンドがアルミニウム中に打ち込まれるメカニズムを明らかにするために、数値解析を行った。後方にあるダイヤモンド粒子が前方の粒子を押す事によって、前方の粒子はアルミニウム中に押し込まれていく事が分かった。アルミニウム中に押し込まれたダイヤモンドの粒子の周りを、変形したアルミニウムが包み込む様子も確認された。15ミクロン程度の粒径が今回研究では最良な結果となった。設置したダイヤモンド粒子層の厚みが、打ち込まれる深さに依存している事も分かった。 回収された複合材料の表面の熱分布を測定した。ダイヤモンドがある部分の温度は、他の部分と比べ明らかに高い事が視覚的に確認された。
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Research Products
(2 results)