2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21920003
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Research Institution | 神奈川県総合リハビリテーションセンター |
Principal Investigator |
永田 健太郎 神奈川県総合リハビリテーションセンター, 事務局研究部, 研究員
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Keywords | 表面筋電図 / 動作認識 / 生体信号処理 |
Research Abstract |
表面筋電図(SEMG)を利用し動作認識を高精度で実現するためには、統計的な識別手法の構築と、SEMG計測位置の選定2点が重要になる。従来の研究では、識別規則の研究が主流であったのに対し、私はSEMG計測位置に着目し研究したところ、動作認識に適したSEMG計測位置は個人毎に異なるとの結果を得た。一般的に電極位置などのSEMG計測条件は同一に設定されることが殆どであるが、個人毎に設定した方がより高精度の認識を達成できる可能性が示されたため、本研究では、動作認識に適したSEMGがどのような統計学的性質を有するのかについて調べた。動作認識に適するSEMGの統計的な傾向が判明すれば、システム利用の際におけるSEMGの安定的な導出訓練への利用が期待できることや、障害者など健常者とは異なる筋構造を有する使用者のSEMG計測位置を決定するための有用な指標となりうる可能性がある。 実験は成人健常者14名に対し、認識対象として18の動作を設定した。SEMGは、前腕部に貼付した多チャネル電極を構成する96個の電極から4つの電極を利用し導出される。この4つの電極の配置位置はランダムに複数組決定され、配置位置毎のSEMGの特性と動作認識精度を調べた。 被験者毎に決定された電極配置から導出されたSEMGの特徴量から変動係数を算出し、動作認識精度との関係を調べた結果、負の相関が示された。相関係数-0.77,P値0.0013(p<0.01)であり、SEMGのばらつきが小さい方が高精度の動作認識が期待できることが示唆された。また被験者間において、SEMG特徴量の基本的な統計量と動作認識精度には有意な傾向は認められなかったが、SEMG特徴量の認識対象動作毎の類似度について検討したところ、全ての被験者で高精度より低精度の場合に、設定した動作群間に高い類似性が認められた。
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Research Products
(5 results)