2009 Fiscal Year Annual Research Report
高圧力下液体中におけるレーザ・ブレークダウンによる反応場の創生とその応用
Project/Area Number |
21920019
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松田 樹也 Kumamoto University, 工学部, 技術職員
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Keywords | レーザ・ブークダウン / プラズマ発光スペクトル / 高圧下液体中プラズマ |
Research Abstract |
研究目的 多岐にわたる応用展開が期待されている「レーザ・ブレークダウン」の絶縁破壊対象として、高圧力下にある液体、もしくはその液体へ分散させた微粒子とすることを提案し、その物性を明らかにし、その応用先を探求する。なお、次のような特性を有すると考えられる。 (1)圧力によるレーザ・ブレークダウンプラズマの大きさ・温度の制御及び無機・有機反応の制御、(2)高圧力(高密度)による無機・有機反応の促進、(3)溶媒による無機・有機反応の制御、(4)界面活性剤による無機・有機反応の制御、(5)瞬間的超臨界状態の形成及び無機・有機反応の促進、(6)急熱・急冷場の形成及び新規無機・有機反応の発現 研究計画 四方にサファイア製窓を有した高圧力容器を設計、製作する。この圧力容器へ液体を圧送後、対向する窓を通してレーザ光を容器内へ集光することで、高圧力下液体中に「レーザ・ブレークダウン」を形成する。形成したレーザ・ブレークダウンプラズマからの発光スペクトルにより、プラズマ温度およびその経時変化を把握し、プラズマ中への発生ラジカル種を同定する。次に、圧力をパラメータとし、この3つの物性のデータベース化を進めることで、レーザ・ブレークダウンプラズマの応用先探究を進める。 研究成果 フェノール水溶液をターゲットとし、濃度およびpH値により変化する紫外吸光スペクトルをレーザ・ブレークダウン前後において調査した。大気圧フェノール水溶液中に波長532nm、1パルス当りのエネルギー453mJ、周波数10Hzにて1~3時間照射したがスペクトルには変化がなかった。波長1064nm、1パルス当りのエネルギー553mJにおいても同様に不変であった。今後は、製作した高圧力容器とゲート付多波長同時観測分光器によるレーザ・ブレークダウンプラズマ発光スペクトル特性調査およびレーザ・ブレークダウンによるフェノールの特性変化を実現できるように研究を遂行する。
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