Research Abstract |
研究成果 実験計画に基づき,実験を試みた結果,以下のことが明らかになった。 (1)作製したモルタル供試体中の水和反応は,材齢経過に伴い進行して居り,例えば,材齢3日から91日までの間に,標準砂および陸砂を用いたモルタルでは,それぞれ密度が前者で0.025g/cm^3,後者で0.031g/cm^3,圧縮強度では,前者が23.4N/mm^2,後者では25.8N/mm^2の増加傾向が認められ,明らかに水和反応の進行とそれによるモルタル中の空隙量の減少傾向が見て取れた。尚,材齢28日の標準砂モルタルおよび,陸砂モルタルの圧縮強度は,それぞれ,47.6N/mm^2,38.5N/mm^2,同材齢の密度は,前者が2.237g/cm^3,後者が2.1709/cm^3であった。 (2)各モルタルの水和反応停止を試みたアセトンとエチルアルコールの処理による総細孔量への影響は,材齢3目から91日までの間で,アセトン処理をした場合に対して,エチルアルコールの標準砂モルタルでは,4.2~6.9%,陸砂モルタルでは,3.1~10.1%の範囲で,測定結果が得られた。即ち,おおよそ,2種類の砂を用いたモルタル供試体では,アセトンを使用した場合に対してエチルアルコールを代用した場合,最大で約10%の違いが生じることが分かった。即ち,アセトンの代用薬品としてエチルアルコールを用いることができる可能性があることを示唆している。 (3)総細孔量の測定値では,砂の種類,薬品の種類,試験材齢を要因とした分散分析(3元配置法)の結果では,砂の種類,材齢に有意水準1%の有意差が認められた。 (4)本実験の範囲では,おおよそアセトンの代用薬品の可能性として,より安全な消毒用エチルアルコールが,対象薬品として挙げられることが分かった。 以上の結果を踏まえて,より安全に,且つ明確な測定結果を得るために,今後継続的に実験検討を実施する予定である。
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