2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21923007
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
津志田 雅之 Kumamoto University, 工学部, 技術職員
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Keywords | 曲げ試験 / 単結晶 / マグネシウム |
Research Abstract |
【研究目的】 近年、エネルギー環境問題の観点から、軽量で高強度なマグネシウム(Mg)の開発が精力的に行われている。しかし、六方晶であるMgは、結晶方位により変形機構が大きく異なることが予想される。そこで本研究では、その場観察が可能な小型三点曲げ試験装置を開発し、結晶方位の異なるMg単結晶の曲げ試験を行い、その際に生じる変形機構を調査した。 【研究方法】 試験片の形状は3mm×3mm×20mmとした。三点曲げ試験は、単結晶試験片を小型アクチュエータに取り付けた三転曲げ冶具により、曲げ変形を与え実施した。アクチュエータの移動量を変位計により、荷重のデータをロードセルにより、それぞれ測定し、動ひずみ計を通してパソコンで記録した。アクチュエータ、ロードセル、変位計は、一般的な光学顕微鏡のステージに乗る大きさのボックス内に納めた。結晶方位の異なるMg単結晶試験片は、ブリッジマン法により作製し、背面反射ラウエ法により方位を同定した。 【研究成果】 荷重軸が[0001]のA試験片では、支点において湾曲した形状となった。試験片表面には、試験片の長手方向に沿って湾曲した底面すべりによるすべり線が、多数観察された。また試験片の支点近傍には、{1012}双晶が観察された。 荷重軸と長手方向がそれぞれ[1120]と[1010]のB試験片では、V字に折れ曲がった形状となり、底面すべりによるすべり線は観察されず、多数の{1012}双晶が観察された。 荷重軸と長手方向がそれぞれ[1120]と[0001]のC試験片では、A試験片とは異なる形状で湾曲し、底面すべりに起因する多数のすべり線が観察された。変形が進むにつれ、{1012}双晶の双晶バンドが観察された。 双晶変形のみで変形したB試験片は、伸びがほとんどなかったことから、曲げ変形における伸びには底面すべりが大きく寄与することが分かった。
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Research Products
(1 results)