2009 Fiscal Year Annual Research Report
AAC活用におけるユニバーサルコミュニケーション教材の開発
Project/Area Number |
21924004
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Research Institution | 大阪府立佐野支援学校 |
Principal Investigator |
馬渕 哲哉 大阪府立佐野支援学校, 教員
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Keywords | 障害児教育 / 拡大代コミュニケーション(AAC) / 国際交流 |
Research Abstract |
「研究の目的」 知的障害のある生徒が通う特別支援学校に勤務し、過去10年間において「交流及び共同学習」を進め、一般中学校等を中心に他校の生徒と共に国際交流にも取り組んできた。その中で海外の生徒との間で直接的なコミュニケーションを持ちたいとする場合、言語理解が大きな問題となる。そこでAAC(拡大代替コミュニケーション)を活用することにより、コミュニケーション理解を促すことができると考えた。そこで、その実用を目的とした教材の開発を目的とする。 「研究の方法」 言葉以外の手段(非言語:ノンバーバルコミュニケーション方法)が多く存在する。その中で知的障害のある生徒が、海外の生徒との直接交流をするという目的に即したコミュニケーション方法を模索・検討し、実践的に海外の交流校の生徒と本校の生徒の言葉の理解の比較検討をする。そのことから共通で理解できるための要因を探り出す。 「研究の成果」 先ず、コミュニケーション方法の検討から始め、ICT活用を考えた。そこで、相互に書き込めるホームページを考え、そこにクリックなどで絵カードの貼り付けができる工夫があれば、複雑な入力が必要無く、利用しやすい。また利用するコミュニケーションの媒体として、絵カードを選んだ。また、より広く活用できるためには著作権フリーであることが望ましく、「コミュニケーション支援用絵記号デザイン原則(JIS TO103)」を利用した。しかし、これは日本の規格であるため海外の生徒に理解されない部分もあると考えたが、予想以上に日本の文化は理解されており、大きな困難は無かった。またそのことから、文化差や経験の違いから理解の違いを検証することはできた。欠点としては、語彙数が限定されるが、生徒たちは、自ら絵を描く等の様々な方法で工夫してそれを補うように使用する場面も見ることができた。
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