2009 Fiscal Year Annual Research Report
品質工学における直流モータの瞬時電力の評価方法の検討
Project/Area Number |
21924013
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Research Institution | 国立高等専門学校機構富山高等専門学校 |
Principal Investigator |
早川 幸弘 国立高等専門学校機構富山高等専門学校, 技術室, 技術専門職員
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Keywords | 品質工学 / 直流モータ / 瞬時消費電力 |
Research Abstract |
1.研究目的 品質工学は実験計画法から発展した評価技術である。実験計画法では,調べたい因子の効果を少数サンプルで統計的に評価し,平均値の変化の解析を行う実験手法であり,品質工学は実験計画法をベースに,ばらつきや劣化をSN比で評価する実験手法である。品質工学では,評価を行う際に入力エネルギーを計測し,そのばらつきの大きさで評価を行っている例が多く,交流モータを動力源とした機器の消費電力値を計測し,その瞬時電力値のばらつきを評価して機器の設計や製造過程の最適化を行っている。しかし,直流モータを動力源とした機器の実施例がないため,品質工学における直流モータを動力源とした機器の瞬時電力による評価方法の検討を目的とした。 2.実験方法および結果 往復摺動摩耗試験機を用いて,固体潤滑剤の摩擦劣化に対する潤滑性の変化を摩擦係数で評価を行った。その後,同時に計測した駆動用直流モータの瞬時電力波形で評価を行ったが,スパイク状の電力変化部分の影響が大きく,固体潤滑剤の違いを評価に反映できなかった。そこで,スパイク状の電力変化部分は,固体潤滑剤の劣化に無関係であると考え,電力データから省いて評価を行った。しかし,モータ出力に対して負荷が小さく,摩擦劣化による瞬時電力の変化を評価できなかった。さらに,直流モータの違いによる瞬時電力波形を比べることにし,小型直流モータを駆動源とした簡易な負荷装置を製作して,瞬時電力の違いについて調べた。スパイク状の電力変化部分は,直流モータの違いによって異なる形状であり,同機種であっても個体差があった。 3.まとめ 品質工学において,直流モータを動力源とした機器の瞬時電力で評価を行う場合は,劣化等の誤差によるによる違いが大きく出るように,負荷に応じた出力のモータを選定する必要がある。 直流モータの瞬時電力には,ブラシと整流子によると考えられるスパイク状の電力変化があるため,無負荷時の電力波形を評価方法に加味することが必要である。
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Research Products
(1 results)