2009 Fiscal Year Annual Research Report
ワルファリン投与初期の治療に対するCYP2C9、VKOR遺伝子型の影響
Project/Area Number |
21927001
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
青森 達 Gunma University, 医学部附属病院, 薬剤師
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Keywords | ワルファリン / CYP2C9 / VKOR |
Research Abstract |
背景および目的 Vitamin K oxide reductase(VKOR)-1639G>A、cytochrome P450(CYP)2C9*2および*3の遺伝子多型はワルファリンの維持投与量に大きな影響を及ぼす。近年、これらの遺伝子型に基づいてワルファリンの適正投与量を設定し、患者ごとに個別化された抗凝固療法が注目されている。そこで、VKORおよびCYP2C9遺伝子多型がワルファリン用量決定へ与える影響を明らかにし、遺伝子型に基づく初期投与量設定の最適化に関する検討を本研究の目的とする。 方法 文書による同意を得たワルファリン服用患者73名から採血し、VKORおよびCYP2C9の遺伝子型をSMart Amplification Process (SMAP)法により判定した。これらの患者について、服用開始から維持投与壁決定までに要した日数を調査し、遺伝子型ごとに比較した。 結果 VKOR-1639AAおよび-1639GAの遺伝子型を有する患者のワルファリン維持投与量はそれぞれ3.0±1.2mg/dayおよび4.0±1.2mg/day、CYP2C9*1/*1および*1/*3の患者ではそれぞれ3.2±1.3mg/dayおよび2.5±1.3mg/dayであった。維持投与量決定までに要した日数は、VKOR-1639AA、-1639GAの患者でそれぞれ20.4±22.6 dayおよび29.8±28.2 day、CYP2C9*1/*1およびCYP2C9*1/*3の患者ではそれぞれ22.0±24.1 dayおよび22.3±19.1 dayであった。 考察 日本人で低頻度の、VKOR-1639GAの遺伝子型を有する患者で、維持投与量決定までに要する日数が長くなる傾向がみられた。したがって、遺伝子型に基づいた初期投与量設定は、ワルファリンによる抗凝固療法の最適化に寄与すると考えられる。
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Research Products
(1 results)