2009 Fiscal Year Annual Research Report
量子ドットイメージング法による癌細胞の多様性と治療効果との関連性の検証方法の開発
Project/Area Number |
21930009
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊藤 丈夫 Tokai University, 伊勢原研究推進部教育・研究支援センター, 技師補
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Keywords | UVCパルス光照射 / 腫瘍細胞殺傷・細胞死 / がん治療法 |
Research Abstract |
以下の案件について解析を実施した。 (1).Qdots Imagingによる標的細胞の複数蛋白の同時検出による検証。 (2).多光子レーザ分子不活性化法(MP-CALI)効果の類似方法の開発。 [実験計画] (1).乳癌培養細胞株(BT474,MCF-7)を用いて予後因子・治療効果予測因子(human EGFR-related 2 : HER2 ; Qd605、Alxa488)、細胞機能[細胞接着因子(E-Cadherin ; Qd705、Alxa594)]、細胞間情報伝達[密着結合(tight junction, ZO-1 ; Qd565、Alxa594)]の同一細胞・同時検出を試みた。コントロールとして、アフリカミドリザル腎臓由来Cos-7細胞を用いた。 (2)MP-CALI法の効果をUltra Violet C(UVC)-Pulse Flash Rayを用いて検討した。 [結果] (1)Her2のみがBT474細胞膜に観察され、MCF-7、Cos-7細胞には認めなかったが、E-Cadherin、ZO-1は、すべての細胞に観察された。複数蛋白の同時検出は可能であったが、機能考察は更なる解析を要する。 (2)Ultra Violet C(UVC)-Pulse Flash Ray(UVCPFR)照射により、MP-CALIとは異なる新しい効果を発見した。ある閾値のUVCPFR照射で、腫瘍細胞のみに細胞質の委縮、細胞膜の破壊による細胞死を来たし、非腫瘍細胞は、細胞萎縮を伴うも修復され生存していた。すなわち、腫瘍細胞を特異的に殺傷する方法を開発した。 本法は、近紫外線(UVC,230-270nm)パルス光を標的細胞に照射、腫瘍細胞特異的な高紫外線感受性を活用し、選択的に腫瘍細胞のみを殺傷・破壊する方法を開発である。新たながん治療方法の一つになりうると確信する。
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Research Products
(5 results)