2009 Fiscal Year Annual Research Report
Fimbriate whole cellコレラワクチンの効果判定に関する基礎的研究
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21930010
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩見 守 Nagasaki University, 熱帯医学研究所, 技術職員
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Keywords | Fimbriate phase / コレラ菌線毛 / コレラワクチン |
Research Abstract |
【研究目的】安価なコレラワクチンとしてfimbriate cellの開発を行い、動物実験でその有用性を確認した。今回はコレラ非経口ワクチンとしてfimbriate Bgd17株を用い、ウサギをつかって、アジュバントを用いずにコレラ菌死菌のみの皮下注、筋注投与で、抗線毛抗体が上昇するか否かを確認し、最小必要量を決定する目安を掴むことを目的にする。 【研究方法】Fimbriate Bgd17ホルマリン固定死菌、1×10^<10cfu>/ml,1×10^<11cfu>/mlを非経口的にウサギに投与し、ELISA, Western blotで抗線毛抗体の定量を行う。採血は2-7週まで毎週行う。各群、3羽のウサギを使用し、投与は2回とする。 【研究成果】1×10^<10cfu>/mlの投与群でもアジュバントなしの非経口投与で、抗線毛抗体が上昇することが確認された。ELISAによる抗体価測定は主にstructural epitopeによる抗体価上昇で、一方、Western blotによる定量は主にlinear epitopeによる抗体価上昇を意味し、コレラ菌の抗線毛抗体は結論としてはstructural epitopeがより重要であることが分かった。 つまり、fimbriate Bgd17株の固定死菌を作製する場合、加熱死菌は線毛のstructureそのものを破壊するので、過熱死菌は効果がないと思われた。この研究により、1×10^<10cfu>/mlの2回の非経口投与で有効かつ安価なコレラワクチンが開発できる目途がついた。今回は皮下注、筋注の組み合わせで投与したが、皮下注、筋注のそれぞれ、単独投与で、同じような結果が得られるか否かの検討が次の課題となる。
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