2009 Fiscal Year Annual Research Report
生徒と教師が共同で作成する評価基準の活用とその効果に関する実践的研究
Project/Area Number |
21934007
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小田 啓史 Hiroshima University, 附属東雲中学校, 教諭
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Keywords | 評価基準 / マット運動 / 課題の明確化 |
Research Abstract |
○研究の目的 本研究の目的は,マット運動の連続技の採点基準を生徒と教師が共同で作成する教材づくりを試み,その学習成果と可能性を検証するものである。 ○研究の方法 本実践における,生徒への学習効果を検証するための方法は次の4点である。 ・今回の学習が自己の課題の明確化に役だったかについて検討するために,単元後に「マット運動の練習時に意識したこと」「自己の連続技の課題を明確にするのに役だったこと」について自由記述させた。 ・連続技の技能習熟については,連続技の発表会の演技を筆者と広島大学の教職大学院生の2名で,採点基準のうち「技の正確さ」と「技のつなぎ」の2観点についてそれぞれ4点満点で採点した。おおむね満足なパフォーマンスを8点満点中6点と設定し,連続技の技能習熟について評価した。 ・審査する力の形成については,連続技のVTRを視聴させた後,採点の正確さや採点した根拠の記述の妥当性について,ルーブリックをもとに数値化した。 ・今回の学習が生徒の情意的側面にどのように影響したかについては,事前,事後のアンケートをもとに,マット運動の好感度と学習に対する意欲を5段階の評定尺度で測定した。 ○研究成果 生徒の多くは質問紙で,採点基準をもとに相互評価することは自己の課題の明確化に役だったと答えており,評価基準を生徒と教師が共同で作り共有することを肯定的に捉えていたことがわかった。また,マット運動に対する好感度や学習意欲について,事前事後の質問紙を分析したところ,どちらも高得点であった。以上のことから,本実践は生徒に課題を明確化させ,主体的な学びを促進することが明らかとなった。さらに,採点の正確さをパフォーマンス課題とルーブリックで計測した結果,おおむね正確に採点されていた。このことから,観察力を形成する可能性があることも示唆するものであった。しかし,連続技の技能習熟においては課題が残った。
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Research Products
(1 results)