2009 Fiscal Year Annual Research Report
共生の意識を育てる、生活時間を利用した小学校家庭科の授業開発
Project/Area Number |
21935001
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
小野 恭子 Tokyo Gakugei University, 附属大泉小学校, 教諭
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Keywords | 生活時間 / 家庭科 / 共生 |
Research Abstract |
1研究の目的 本研究では、生活時間を使った小学校家庭科での授業を通して共生の意識を作るために(1)一般的な12歳の生活時間データー(社会生活基本調査のデーター)(2)授業を受ける児童の生活時間データーと家族の生活時間データー(3)授業を受ける児童の生活時間の学級平均データー及びその家族の生活時間の学級平均データーを用いどのデーターを用いた場合に、児童が共生の意識をより学ぶことができるか検証した。 2研究の結果 (1)(1)の既存のデーターを用いて授業を行ったクラスでは自分たちの生活を客観的に振り返る機会が無く、データーを比較する場合にも主観的な感情を判断基準にしている様子が多く見たれた。また、データーを分析するときにもデーターに出ている違いだけに着目し、違う理由やその要因にまで学習が発展しなかった。(2)の個人のデーターのみを用いたクラスと(3)の学級平均のデーターを用いたクラスでは、データーを比較しているが、その背景の問題などにも気づく児童が多く、学習内容に広がりが見られた。(2)と(3)クラスの児童の気づきに大きな差は認められなかった。これらから、まず自分の生活時間を記録させることは、生活をみつめさせる授業において重要であることが明らかとなった。さらにそのデーター処理において、個人ベースの比較にとどまるか((2))、学級平均を用いるか((3))では、(2)の場合は、親の大変さや感謝の気持ちを示す子どもが多く、(3)の場合には、大人と子どもの時間の使い方の相違に気づく児童が多かった。 (2)大人と子どもの生活活動の相違に気づき、家族全員で、それぞれに必要な活動を協力しながら行っていることを理解することを目標とする家庭科では、(3)のクラスのように、自分の時間記録をした上で、学級平均との比較のような、客観的な比較の視点を取り入れた授業展開が望ましいことがわかった。
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Research Products
(1 results)