2022 Fiscal Year Annual Research Report
Rethinking Impact Assessment from Perspectives on Responsible Research and Innovation (RRI)
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21H00503
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
標葉 隆馬 大阪大学, 社会技術共創研究センター, 准教授 (50611274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 亘 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (20310609)
岡村 麻子 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 科学技術予測・政策基盤調査研究センター, 主任研究官 (20439219)
加納 圭 滋賀大学, 教育学系, 教授 (30555636)
福本 江利子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 講師 (40835948)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インパクト評価 / 責任ある研究・イノベーション / 科学技術政策 / 研究評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は主として下記の内容の進捗を得た。第一に、REF2014のインパクトケーススタディのレビューを検討した。Applied ethics を対象として、複数のケースの記述内容から研究のアウトカム、インパクト、対象セクター・部門(受益者)にあたるものを抽出した。これらの予備的な分析を行いながら、REF2021に関するデータの取得も着手した。その上でメンバーの一人が2022年度末までに行った英国出張において、インパクト評価に関連する研究者・実務家ら(UKRIでのREF担当者、インパクト評価研究者、EBPM研究者、評価研究者等)にインタビュー調査を行うことで、研究事例対象としているREFにおける「インパクト」評価の実像に迫る「語り」の収集を併せて実施している。 また科学技術政策研究ならびに行政学の視点から、パフォーマンス評価などの評価枠組みにおけるレッドテープやブルシットジョブ、監査社会の課題についての整理を進めた。 これらの内容に加えて、研究メンバーはSpringerNatureによる「ジャパンリサーチアドバイザリーフォーラム」にてダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の評価軸の重要性を提案した。また、同評価軸の観点から同社によるCommunicating the value of research to media and the publicに関するアンケート調査への助言を行うなどのRRI評価に関わる実務的貢献も行った。 また本研究プロジェクトの推進のために、2023年1月からフルタイムの特任研究員の人員確保に成功した。その人材獲得を契機として、科学技術イノベーション政策の中における地域イノベーションの取り扱いと大学の機能に関わるデータの入手に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、英国REF2014ならびにREF2021に関する文献レビュー、ならびにインパクトケーススタディの事例検討のためのデータ収集が進んでいる。またインパクト評価に関連する研究者・実務家ら(UKRIでのREF担当者、インパクト評価研究者、EBPM研究者、評価研究者等)にインタビュー調査を行うことで、研究事例対象としているREFにおける「インパクト」評価の実像に迫る「語り」の収集を併せて進みつつある。 これらの知見や情報に対して、科学技術政策や行政学、公共政策論の視点からの評価システムの構造的分析、評価をめぐる「語り」とフレーミングの分析、そして研究機関をめぐる機能と役割の議論の分析を国際的な関連研究の最新の議論を援用しながら進められている。現在、これらの成果に関わる学会発表や論文化のためのドラフト作成もすすみつつある。 これらの内容に加えて、研究メンバーはSpringerNatureによる「ジャパンリサーチアドバイザリーフォーラム」にてダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の評価軸の重要性を提案した。また、同評価軸の観点から同社によるCommunicating the value of research to media and the publicに関するアンケート調査への助言を行うなどのRRI評価に関わる実務的貢献も行った。 また本研究プロジェクトの推進のために、2023年1月からフルタイムの特任研究員の人員確保に成功した点は、進捗において大きなポイントであった。その人材獲得を契機として、科学技術イノベーション政策の中における地域イノベーションの取り扱いと大学の機能に関わるデータの入手に着手できており、最終年度にむけた新たなデータ取得と成果発表の礎石となることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに、インパクト評価やRRIに関わる指標の議論などを順調に進めることができている。今後の課題としては、これらのデータを論文などの成果として着実に公表していくことが第一となる。これまでに速報的な記事の公開などが行われているため、それらも活用した論文作成を最終年度に更に進めていく。 また政策提言や評価実践への貢献が第二の課題となる。前者については、科学技術・学術政策研究所所属のメンバーの参加により、様々な形での政策関係調査への知見の活用が期待される。また後者の評価実践課題については、ユニバーシティ・リサーチ・アドミニストレータ―(URA)の専門家の協力参加を得ており、プロジェクト研究会においてリアルタイムの情報共有・議論を重ねてきた。この成果を基盤として、より広いネットワーキングと知見の打ち込みをより積極的におこなっていく。
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Research Products
(4 results)