2021 Fiscal Year Annual Research Report
日本における西洋古典受容に関する包括的・学際的な国際共同研究
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21H00517
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中谷 彩一郎 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 教授
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Project Period (FY) |
2021 – 2022
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Keywords | 西洋古典 / 古代ギリシア・ローマ / 日本 / 東アジア / ダフニスとクロエー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、西洋古典学・比較文学・科学史・日本学などの諸分野の研究者が領域横断的に集まり、海外の研究者の協力も得ながら、「日本における西洋古典受容」に関する共同研究を進め、最終的にはその成果を英文論文集にまとめて世界に発信することを目指すものである。初年度となる2021年度は、コロナ禍の影響が続き変異株の流行にも翻弄されて、メンバーの各々が個別に研究を進めることが中心となった。そのような中、初の全体ミーティングを7月11日にオンラインで開き、研究計画の練り直しを行った。次いで9月22日に、東アジアにおける西洋古典受容に関する初の論文集であり、研究分担者の泰田・カルディ、研究協力者の中村るい(東海大学)も寄稿しているAlmut-barbara Renger & Xin Fan (eds.), Reception of Greek and Roman Antiquity in East Asia (Brill, 2018)の検討会をオンラインで行い、本プロジェクトによる新たな論文集が取り組むべき課題をあらためて確認した。具体的な研究実績については、研究分担者の泰田・渡邉・平岡による論文および図書の分担執筆、カルディ・野津・平岡・中西による学会発表など、初年度としては十分な成果があったと言えよう。特に研究代表者の中谷は、古代小説の中でもっともよく知られる作品であるロンゴス『ダフニスとクロエー』について、新しい学術的知見を盛り込みながら広い読者に向けて紹介する小著を刊行した。『ダフニスとクロエー』は近代ヨーロッパの隠れたベストセラーであり、日本でも三島由紀夫『潮騒』の藍本として知られているなど、西洋古典受容の面からも重要な作品であり、中谷の小著ではそのような点についても触れられている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初からコロナ禍を見据えて計画を立てていたため、対面でのミーティングや一般に公開する企画は開催できなかったものの、内部のミーティングについてはほぼ計画通りオンラインで開くことができた。また、最終目標となる英語論文集の計画に関して懸案となっていた寄稿者の追加についても、本年度中に打診を進め顔ぶれをほぼ確定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響が残っていること、また、研究代表者の中谷が2022年度の大半はベルギーで在外研究を行う予定であることを考慮し、国内外における対面での企画については機を見て柔軟に計画を進めるとともに、プロジェクト内部のミーティングについては引き続きオンラインで開くことが確認された。
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Research Products
(17 results)