2021 Fiscal Year Annual Research Report
Millennial-scale social sustainability in a piedmont canyon of Southeast Arabia: An interdisciplinary inquiry based on historical ecology
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21H00605
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
近藤 康久 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (90599226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤藤 匠 (蔦谷匠) 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (80758813)
板橋 悠 筑波大学, 人文社会系, 助教 (80782672)
太田 博樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40401228)
近藤 洋平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (20634140)
三木 健裕 東京大学, 総合研究博物館, 特任助教 (30898309)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歴史生態 / 千年持続可能性 / 古代プロテオミクス / アラビア / オマーン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度が3年計画の第一年度に相当する。2021年12月から2022年1月にかけ、オマーン内陸部アッダーヒリーヤ行政区タヌーフ地区において、考古班(近藤康久、三木、黒沼)と思想班(近藤洋平)の合同による現地調査を実施する予定であった。しかし、コロナ禍の継続に伴う相手国側の事情により、調査の実施を1年延期することとなった。これにより、本年度末までに、古生態班(蔦谷、板橋、太田)が分析を担当する予定の遺跡出土糞石を入手できなかった。
試料の入手を待つ間の準備として、古環境班において、現代人の糞を用いた検討を実施した結果、糞中に残存するDNAの半減期は数日程度であることが示唆された。また、骨の安定同位体分析や歯石ゲノム分析などの手法と比較して、短期間の食性を高い解像度で復元できる手法であることが示唆された。糞石中のタンパク質を抽出してプロテオーム分析を実施するための前処理設備、および、アミノ酸を抽出・精製して同位体分析するための前処理設備を整備した。さらに、現代の植物食動物糞を用いて実験手法や処理試料量の検討を実施した。古代ゲノム分析を実施するための前処理施設の整備を進め、縄文時代の糞石や食性既知の現代人の糞を対象に条件検討を進めた。
また、考古班と思想班においては、現地調査の延期等により生じた時間を有効に活用し、先行研究の文献調査や、これまでに取得したデータの整理・分析を進めた。The Journal of Oman Studiesに寄稿した論文"A Bronze- and Iron Age cemetery at Wadi Tanuf, Ad-Dakhiliyah"(Kuronuma et el. 2021)において、タヌーフ地区ワディ・タヌーフの峡谷において前年度に発見した墓地遺跡の様相を速報した。延期した現地調査の実績については次年度の報告書にて報告する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度当初の交付申請の段階では、年度後半にコロナ禍が収束するものと予測して、12月から1月に現地調査を計画していたが、相手国の事情により実施が困難との判断に至り、1年延期することとした。これにより、古生態班の分析に必要な試料の入手が遅れることとなったが、分析の条件検討などを進めたことにより、翌年度に試料を入手次第分析に着手する体制を整えることができた。また、考古班と思想班においては、現地調査の延期で生じた空白時間を有効に活用して、先行研究の文献調査や、これまでに取得したデータの整理・分析を着実に進めることができた。現地調査の遅れを国内での準備研究である程度補うことができたので、全体としての進捗は「やや遅れている」状態にあると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
古生態班は、試料を入手できた場合にすみやかに古代プロテオミクスおよびアミノ酸の同位体分析を実施できる実験体制の構築を継続する。遺跡出土の糞石にタンパク質やDNAがわずかしか残存していない恐れがある。その際には、抽出方法の改善やターゲットキャプチャを実施する必要がある。遺跡出土糞石中のアミノ酸は埋没中の続成作用によって変性し、同位体比が変化している可能性がある。糞石が埋没中に受けるアミノ酸の変性が議論に影響しないことを担保する指標を設ける必要がある。考古班と思想班は、文献調査とデータの整理分析を継続し、来るべき現地調査に備える。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Triangulation supports agricultural spread of the Transeurasian Languages2021
Author(s)
M. Robbeets, R. Bouckaert, M. Conte, A. Savelyev, T. Li, D. An, K. Shinoda, J. Uchiyama, H. Takamiya, H. Kanzawa- Kiriyama, H. Oota, H. Ishida, R. Kimura, T. Sato,, M. Yoneda, M. Kugai, R. A. Bianco, F. Zhang, M. Himmel, M. J. Hudson, N. Chao et al.
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Journal Title
Nature
Volume: 599
Pages: 616-621
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Exploring correlations in genetic and cultural variation across language families in Northeast Asia2021
Author(s)
H. Matsumae, P. Ranacher, P. E. Savage, D. E. Blasi, T. E. Currie, K. Kognebuchi, N. Nishidal, T. Sato, H. Tanabe, A. Tajima, S. Browno, M. Stoneking, K. K. Shimizu, H. Oota, B. Bickel
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Journal Title
Science Advances
Volume: 7
Pages: eabd9223
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] Gut microbiome analyses of ancient individuals, so called Jomon, lived in Japanese archipelago2021
Author(s)
L. Nishimura, A. Tanino, A. Ajimoto, K. Inada, T. Katsumura, M. Ogawa, K. Koganebuchi, D. Waku, R. Sugimoto, M. Kumagai, H. Oota, I. Inoue
Organizer
ASHG virtual meeting 2021
Int'l Joint Research
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