2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H00781
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長谷 正人 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40208476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 哲彦 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (10419252)
前川 修 近畿大学, 文芸学部, 教授 (20300254)
加藤 裕治 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (20633861)
川崎 佳哉 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, 助教 (50801792)
松谷 容作 國學院大學, 文学部, 准教授 (60628478)
大久保 遼 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (60713279)
増田 展大 九州大学, 芸術工学研究院, 講師 (70726364)
角田 隆一 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 准教授 (80631978)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 自撮り / メディア文化 / コンヴァージェンス・カルチャー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は初年度であったため、「自撮り文化」について今後研究していくときの枠組みを参加メンバー全員で共有するために、①メディア研究をめぐる基礎的な文献の書評会と②自撮り文化に関するこれまでの優れた研究者をゲストに迎えての報告と議論、を行って、来年度以降の個々人の研究を進めていくための準備的作業を行った。 【第1回】4月24日加藤裕治:『コンヴァージェンス・カルチャー』(ヘンリー・ジェンキンズ)前半書評会 【第2回】6月12日加藤裕治:『コンヴァージェンス・カルチャー』(ヘンリー・ジェンキンズ)後半書評会 【第3回】7月31日長谷正人:『テレビジョン』(レイモンド・ウィリアムズ)書評会 【第4回】10月23日溝尻真也報告「アトラクションとしてのビデオとそのイメージ」【第5回】3月5日久保友香報告「「自撮り」技術と若年女性の「盛り」コミュニケーション」 上記のような日程で、全員が参加した研究会を行い、充実した議論が取り交わされた。第1回から第3回までの2冊の書評会では、メディア技術の社会のなかの位置付けについて歴史的にどういう議論が展開されてきたかが確認された。また第4回には、70年代ラブホテルにおいて性行為を自分たちでビデオカメラで撮影するという「自撮り」文化があったことが報告され、第5回には若い女性たちの自撮り文化のなかにおける作者と被写体の二重性について報告され議論が行われた。 以上から、メディア文化が一方で作者の「エクスプレッション」(表現)でありながら他方で「コミュニケーション」ツールでもあるという二重性をどう捉えるかが今後の課題であることが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のなか、対面での研究会は開催できなかったが、オンラインを使っての研究会を5度も行って、その限定的な条件下のなかでは極めて充実した議論ができたと考えている。本年度の議論を踏まえれば、来年度以降さまざまな自撮り文化についての研究が進められるはずである。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度は、基礎的なメディア研究書の講読と既存の「自撮り」研究者からの専門的知識の供与によって、今後本研究を進めていくときの基盤的議論を行ったので、来年度は研究分担者が各自の研究を順次報告していくことを計画している。
|
Research Products
(17 results)