2022 Fiscal Year Annual Research Report
地域創造型教育ガバナンスの構築と教職員の職能開発に関する学際的研究
Project/Area Number |
21H00851
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
宮前 耕史 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (30584156)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的場 信敬 龍谷大学, 政策学部, 教授 (10532616)
半澤 礼之 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10569396)
篠原 岳司 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20581721)
安井 智恵 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (40440557)
木原 浩貴 総合地球環境学研究所, 未登録, 客員准教授 (50815355)
平岡 俊一 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (70567990)
小林 淳一 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80425371)
添田 祥史 福岡大学, 人文学部, 教授 (80531087)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 地域創造型教育ガバナンス / 持続可能な地域づくり / 学校と地域の連携・協働 / 地域教育 / 地域創造型教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、いわば我が国における地域の持続可能実現に向けた地域ガバナンスの核としての学校の可能性、およびその可能性を追究する際に教職員はじめ関係者に求められる資質・能力や態度・職能を明らかにしようとするものである。 これまでの研究成果を踏まえ、国内外における現地調査を実施して、地域の持続可能性の実現に向けた地域ガバナンス(地域創造型教育ガバナンス)の構築における人材育成(教育)のあり方や、学校の位置づけに関する比較研究を行った。国外事例としてオーストリアおよびドイツの事例、国内事例として、北海道浦幌町、および北海道安平町・島根県海士町・島根県益田市を取り上げ、現地調査や事例に関する情報収集を行った。 オーストリアおよびドイツにおける現地調査からは、両国では、若者向けの地域人材育成の一環として、選挙で選ばれた若者で構成されたチームが自治体から与えられた財源を活用して各種の地域づくり活動を実践したり、自治体の政策形成過程に参加したりする「青年議会」が活発であること、州等のレベルに市民参加等を促進する専門組織(中間支援組織)が存在し、若者に対する民主主義教育や若者たちの実践等への支援を展開していることが明らかとなった。両国における地域人材育成のための教育活動は、自治体や中間支援組織などの地域主体が中心となる形で展開している。 これまでも共同研究チームがメイン・フィールドと位置づけ調査研究を蓄積してきた北海道浦幌町における集約的現地調査を実施するとともに、北海道安平町・島根県海士町・島根県益田市における予備的調査・情報収集を行った。 国内外における地域創造型教育ガバナンスのあり方に関する比較検討を通じ、我が国における地域の持続可能実現に向けた地域ガバナンスの核としての「学校」の可能性、およびその際に教職員に求められる「地域創造型」の資質・能力、態度・職能の必要性が明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内事例・国外事例ともに、現地調査および現地調査実施に向けた準備期間中に、研究代表者、研究協力者が相次いで感染症に罹患し、現地調査の実施および実施に向けた事前準備や連絡調整が極めて困難な状況となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでにおける調査研究の成果をふまえ、国内外の事例に関する補足調査を実施するとともに、とりわけ国内において新たな事例を発掘し、現地調査と資料・情報収集に努めるとともに、意見交換と概念整理を行って、研究成果を取りまとめる。 国内事例としては、これまでも共同研究チームがメイン・フィールドとして位置付けてきた北海道浦幌町における調査・研究を継続すると同時に、いくつかのサブ・フィールドを設定し、現地調査と資料・情報収集を行う。これまの共同研究チームによる調査研究により、地域創造型教育ガバナンスが構築されていく過程には、教師・地域住民・行政担当者等の有志グループによる取り組みが、学校・教育委員会・地域行政等の正式な取り組みとして位置付けられていく場合(ボトムアップ型)と、逆に研究指定校制度による研究指定やコミュニティ・スクールの導入等を契機にトップダウンでその構築が求めらて行く場合(トップダウン型)とがあることが明らかになっている。現段階では、サブフィールドとして、これまでも共同研究チームによる研究の蓄積のある北海道釧路町・安平町・下川町、岩手県大槌町、福島県浪江町、滋賀県南丹町、宮崎県五ヶ瀬町等が候補に挙げられているが、サブ・フィールドを設定する際には、ボトムアップ型とトップダウン型の双方からバランスよく現地調査を行うことができるよう、配慮する。また、書籍や学会・研究会等への参加を通じて情報を収集しつつ、本研究の課題により適合的な事例がある場合には、調査地を変更する等、柔軟に対処する。 共同研究チームによる意見交換を経て、「地域創造型実践コミュニティ」とのアイディアを得た。共同研究チームによるより一層の意見交換を通じ、「地域創造型教育ガバナンス」との関連において概念整理を行うとともに、研究成果を取りまとめる。
|
Research Products
(15 results)