2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an Elementary and Secondary Model Curriculum for Fostering AI and Digital Fabrication Literacy
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21H00860
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
山崎 貞登 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40230396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 久城 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (10218729)
磯部 征尊 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70736769)
大森 康正 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80233279)
東原 貴志 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10370850)
岡島 佑介 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (40754734)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | STEM教育 / STEAM教育 / AIリテラシー / 小学校 / 中学校 / プログラミング学習 / カリキュラム / Society5.0 |
Outline of Annual Research Achievements |
教育版(登録商標)レゴ・マインドストーム(登録商標)EV3を教材としたJ教育大学附属中学校第3学年3クラス(計7時間)の2022年度研究実践では,2021年度実践の問題点を改善するために,PythonからScratchによるプログラミングに変更し,データの収集から訓練は,Teachable Machineを活用し,画像認識による自動運転が可能な教材を考案した。事前・事後質問紙調査とマインドマップ調査結果から,AIに対する興味・関心,ビッグデータ,学習処理,推論といったAIリテラシーの基本概念の理解に効果があることを明らかにした。また,マインドマップ調査の結果から,本実践後は,データの量に加え,データの特徴や質的側面から説明する生徒が増加した。 小型人型ロボット「シャープ(登録商標)ロボホン」を教材としたAIリテラシー育成のための研究授業は,A県公立A小学校第5,6学年,K県私立S小学校での教育課程外活動,N県公立J中学校第3学年で行った。 A小学校第5学年34人の児童に対しては10時間,同6学年34人に対しては13時間の構想カリキュラムを立案し,実践した。第5学年では,Society5.0で必要な技術,条件分岐と繰り返しを使い,ロボホンを動作させるプログラミング(ブロック型),音声認識を中心にAIの活用方法について学習した。第6学年では,画像認識の仕組みや活用方法などを行い,観点別学習状況の評価から,学習効果が高いことがわかった。 S小学校では,小学生を対象に,研究協力者の川原田(当時,同校校長)が教育課程外の学習活動で5時間実施した。 J中学校の実践(5クラス,計5時間扱い)では,前述の附属中学校とほぼ同様の事前・事後質問紙調査を実施した。AIに対する興味・関心,ビッグデータ,学習処理,推論といったAIリテラシーの基本概念の理解に効果があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は,COVID-19感染拡大により,米国STEM/STEAM教育に関する現地調査が実施できなかった。しかし,2022年度,研究分担者の人見は,アメリカのボストン科学博物館におけるSTEM/STEAM教育に関する現地調査を実施することができた。 なお,英国STEM/STEAM教育については,2021年度及び2022年度にCOVID-19の影響で現地調査ができなかったが,2023年6月19日から同年7月1日まで,研究分担者の磯部が英国エクスター大学に渡航することが決定している。AIリテラシーについては,AI perceptionについて研究しているスタッフと,現地でセミナーを行う。コーディング教育におけるComputational thinkingのための学習機会はどのように考えられるかということについて,意見交換を行うセミナーを実施する。さらに,エクスター市内の小学校と中学校のコンピューティングの授業を参観する。 ロボホンを教材とした研究において,2021年度は,J中学校がCOVID-19による臨時休校で実践ができなかった。しかし,2022年度は構想カリキュラムをすべて実践することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年9月18日~20日に愛媛大学で開催される日本科学教育学会課題研究セッションに応募して,研究成果を発表する。 海外のSTEM/STEAM教育の現地調査として,研究分担者の人見は,2022年度に実施した米国ボストン科学博物館におけるSTEM/STEAM教育の現地調査結果の発表と,参加者との質疑応答を通して,現地調査で明らかになった点と,問題点や課題点を明確にして,最終年次報告書の執筆に反映させる。 また,研究分担者の磯部は,2023年6月の英国現地調査について報告する。 研究協力者の松田は,小学校の「総合的な学習の時間」を中核としたプログラミング教育の実践と,STEM/STEAM教育の導入による脱カリキュラム・オーバーロードについて発表する。佐伯は,脱カリキュラム・オーバーロードに繋がる高校工業の観点別学習評価規準の焦点化,厳格性,一貫性の推進と,パフォーマンス課題の導入について発表する。 小型人型ロボット「ロボホン」を教材としたAIリテラシー育成の研究のうち,研究分担者の磯部と,研究協力者の中村は,A県公立B小学校第2学年を対象に,計2時間でAIとプログラミングの関心を高めるための授業研究を実施する。T県内に所在する私立O中・高等学校において,研究協力者の川原田は,中学生と高校生を対象に,AIリテラシー育成を目的として,ロボホンを教材とした実践研究を行う。川原田は,2021年度と2022年度に私立S小学校で研究実践を行っていることから,児童生徒の発達段階に即したAIリテラシーの学習系統性に配慮した到達目標の体系化をまとめる。研究代表者の山崎は,研究協力者の水野と,N県公立J中学校で実践研究を継続する。 3Dプリンタによるデジタルファブリケーションリテラシー育成研究班では,研究分担者の東原が中心となり,研究協力者の藤田,水野とともに,実践研究を継続する。
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