2021 Fiscal Year Annual Research Report
小学校国語科におけるデジタル端末で「深く読む」ための調査・実践研究
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21H00866
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
難波 博孝 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (30244536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊福 晋平 国際大学, GLOCOM, 准教授(移行) (10308562)
幸坂 健太郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20735253)
本渡 葵 新見公立大学, 健康科学部, 准教授 (20781248)
菅谷 克行 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (30308217)
黒川 麻実 大阪樟蔭女子大学, 児童教育学部, 准教授 (50823382)
篠崎 祐介 玉川大学, 文学部, 助教 (60759992)
細 恵子 千里金蘭大学, 生活科学部, 准教授 (60825719)
氏間 和仁 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80432821)
森 美智代 福山市立大学, 教育学部, 教授 (00369779)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国語教育 / 紙とデジタル / 深く読む |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、「紙とデジタルの比較読解調査」を行うための理論的な研究、実際の読解調査作成、予定した2つの小学校における「紙とデジタルの比較読解調査」のそれぞれを行うことができた。 理論的な研究については、国語科教育研究を始めとする関係領域の先行研究を渉猟し、「深く読む」能力のリストを作成することができた。実際の読解調査の作成においては、実際の教科書の教材分を参照し二種類の調査問題文章を作成した。また、作成した「深く読むリスト」からいくつかの「深く読む」バージョンを選択して、設問を作成し、研究分担者との協議を経て確定した。 読解調査については、小規模校一校の調査を11月に行った。ここでは、質的研究を目指し、児童の読解の様子を動画作成したりパソコンでの録画を行った。また、読解調査とアンケートを行った。また、中規模校の調査を3月に行った。ここでは、量的な研究を目指し280あまりの調査を行うことができた。 調査結果については、以下のようなことがわかった。①両校の調査では、低学年では紙のほうが読解力が高く高学年ではデジタルの方が高かった。しかしその差は僅かであった。②小規模校の調査では、デジタル画面に対し何度も書いたり消したりする児童が複数おりそれらの児童の点数は低く、一方デジタル画面を音読する児童もおりこの児童の点数は高かった。③中規模校の調査では、紙志向かデジタル志向かで児童を四群に分けたところ、最もデジタル思考の強い児童群は、その他の群に比べ著しく読解点数が低かった。またこれらの群は学年が下がるにつれ増えていた。 以上の結果から、紙とデジタルそれぞれの読解カリキュラムについて、小学校低学年では紙を重点にした読解カリキュラムを考えること、デジタル読解カリキュラムについては紙ベースの従来の読解カリキュラムについて再考するべきである示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論構築、調査問題の作成、予定した2つの小学校における「紙とデジタル比較読解調査」のいずれも行うことができた。したがって概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度においては、2021年度の調査結果の学会発表と論文作成・投稿を行うこと、また、文学の「紙とデジタル比較読解調査」を小規模校と大規模校で行うこと、さらに、台湾での読解調査の準備を行うことを予定している。
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Research Products
(12 results)