2021 Fiscal Year Annual Research Report
1960-70年代の大学改革-大学紛争と大学改革の国際比較研究
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21H00879
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
羽田 貴史 広島大学, 高等教育研究開発センター, 名誉教授 (90125790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸村 理 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (00758576)
廣内 大輔 岐阜大学, 教育推進・学生支援機構, 准教授 (10620792)
井上 美香子 福岡女学院大学, 人文学部, 講師 (30567326)
田中 智子 早稲田大学, 欠番(旧 大学史資料センター), 助手 (40633566)
蝶 慎一 香川大学, 大学教育基盤センター, 准教授 (50781548)
福石 賢一 高知工科大学, 共通教育教室, 教授 (60294485)
小宮山 道夫 広島大学, 森戸国際高等教育学院, 准教授 (60314720)
荒井 克弘 独立行政法人大学入試センター, 入学者選抜研究に関する調査室, 客員教授 (90133610)
渡邊 かよ子 愛知淑徳大学, 文学部, 教授 (90220871)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大学紛争 / 大学改革 / 1960年代 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
繰り越し経費に基づき、対面インタビューを含む調査を行った。4月に北海道大学において大学院生協議会役員経験者へのインタビューと北海道大学文書館で学生運動資料の閲覧・複写、5月にも継続して北海道大学の資料収集を行った。6月は東京・教育図書館において、日教組教研集会大学分科会の報告資料を複写した。当該資料はPDF化し、研究メンバーと共有できるようにした。また、コロナで対面研究会を開催できなかったが、6月に早稲田大学において対面の研究会を開催し、各自の進行状況の報告を行い、それを踏まえて研究課題と調査の方向をより明確にした。 この成果に基づき、9月に教育史学会で発表の準備を進め、対面での第2回研究会(8月、広島大学)を開催し、9月24-25日の教育史学会で自由研究発表「1960年代の高等教育改革―社会構造変化・大学改革案・中教審答申―」(羽田 貴史、戸村 理、蝶 慎一)を行った。具体的報告は、60年代研究の意義と発表の目的を羽田、主として研究大学を対象とした改革案の検討を蝶、46答申の形成過程と大学改革論を戸村が行った。 コロキウム発表は「〔コロキウム〕1960年代の社会変化と高等教育改革-日本・アメリカ・ドイツ・イギリス」(オルガナイザー:羽田)報告は、①国際比較から日本の大学改革を対象化する報告として「アメリカの学生運動と大学改革」(渡辺かよ子)、「ドイツにおける大学改革と学生運動」(木戸裕)、「1960年代イギリスの大学改革と学生運動」(福石賢一)、②個別大学の紛争と改革から紛争と改革の関係を考察する報告として、「広島大学を対象に」(小宮山道夫)、「早稲田大学を対象に」(田中智子)、③大学改革案の共通する重要テーマから紛争と改革を考察する報告として「一般教育改革について」(井上美香子)の発表であった。この成果を踏まえ、2023年度には論文執筆を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集は極めて順調に進行してきた。すなわち、①広島大学高等教育研究開発センターの各大学改革案532点、②60-70年代の日教組教研集会報告書431点、③同時期の全国院生協議会・北海道大学院生協議会資料516点、④文部省及び国立教育研究所による外国大学調査研究報告書類40点、⑤北海道大学、京都大学、名古屋大学、早稲田大学、広島大学の改革資料、⑥中央教育審議会46答申関係総会・特別委員会議事録、配布資料を収集することができた。コロナ禍で対面研究会には極めて大きな制約があったが、2021年度は2回(1回は対面)、2022年度は4回(対面は1回)の研究会を開催でき、問題関心と研究課題を共有し、それぞれ独立して分担したテーマの研究を推進することができた。その成果として教育史学会第66回大会の自由研究発表とコロキウムでほぼ全員が発表することができた。 また、アメリカの大学改革については、カリフォルニア・マスタープランが重要であり、荒井克弘がジョン・ダグラス『カリフォルニア・マスタープラン』の翻訳を監修し、近日出版するに至ったように、着々と成果が出ている。 外部講師を招聘しての研究会は、東大関係者を招いた研究会しか開催できなかった。また、国際比較研究にとって必要な海外調査はこの2回ほとんど実施できず、この点は大きな課題である。2023年度にはこれも視野に入れて研究を進める計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の進行状況で当初目標とした成果を達成することは十分可能であり、今後オンラインを含めた研究会を頻繁に開催し、分析視点や情報を共有して進捗状況を把握し、研究期間中に成果を発信できるように努める。
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Research Products
(7 results)