2022 Fiscal Year Annual Research Report
Sensitivity improvement of the CTA-LST aiming for detecting gamma-ray signal from Dark Matter annihilation
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21H01106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 隆之 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (60713419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪 秀利 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40300868)
山本 常夏 甲南大学, 理工学部, 教授 (40454722)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | SiPM / 大気チェレンコフ望遠鏡 / CTA |
Outline of Annual Research Achievements |
SiPMをチェレンコフ望遠鏡に採用するにあたり、必要不可欠とされる性能の一つが、出力パルス幅の短さである。前年度は、浜松ホトニクスに依頼し、パルス幅が4ナノ秒程度の素子を開発、製造してもらった。しかしながら、その代償として素子の死時間が増大することを発見した。本年度は、パルス幅は100ナノ秒程度の素子を用い、読み出し回路でパルス幅を短くする回路を開発した。4素子の出力信号を合算するが、それらを直列に繋ぐことで静電容量が抑えられ、パルスの「高速成分」と「低速成分」の2成分に分離させることができた。低速成分をPole-Zero-Canceller回路で容易に削ることができ、出力パルスの幅を短くすることに成功した。 また、ライトガイドの開発も進めた。薄いガラスに蒸着する方法で、赤色光を反射しない特品ライトガイドが開発できたが、それは非常に割れやすく、望遠鏡に搭載するには非現実であることが発覚した。そこで、集光率は多少犠牲になるが、プラスチック製の枠をつくり、そこにガラス幕を糊付けする方法とした。形状は光線追跡シミュレーションを用いて最適化した。実際の性能評価についてはこれから行なっていく。 SiPMとライトガイド、制御ボード、読み出しボードの機械的な組み合わせ方もスタディし、モジュールの全体像が出来上がった。14のピクセルそれぞれが独立した構造をもち、1ピクセルずつ試験することも、交換することもできる形にした。今後はそれらの開発、製造、性能評価試験を行なっていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍での半導体不足でそもそも素子の納品がおくれ、さらに高圧供給回路の製造休止も決まってしまった。それに加え、パルス波形整形回路が必要なくなると期待して開発した、出力パルス波形の細い新型の素子に予期せぬ欠点が見つかった。旧型の素子に戻し、パルス波形整形回路の開発が必要となってしまった分、遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
一通りの問題は昨年度末までに解決したつもりである。あとは、1ピクセル分を組み立て、試験し、14ピクセルに拡張していくという、従来の計画通りに進めていく。元々は5台分作る計画であったが、残りの予算や時間も考え、1台だけ作ることにする。1台であったも多くのことが学べ、将来のCTA大口径望遠鏡のアップグレードに役立つはずである。
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Research Products
(3 results)