2022 Fiscal Year Annual Research Report
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21H01190
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田阪 美樹 静岡大学, 理学部, 准教授 (80772243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 英弘 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80313021)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | かんらん岩 / 電気物性 / 変形実験 / 粒径 / 粘性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は電場下におけるマントルかんらん岩の粒成長・粘性変化を求め「地球内部に加わる電場で物質拡散が加速され、岩石が柔らかくなるのか?」という問いに対し研究を進める。本年度は実験試料作製、通電実験、変形実験、実験試料の組織解析を行った。 実験試料作製:鉱物量比・化学組成を制御できる試料作製方法を用いて、マントルかんらん岩の代表的な鉱物組み合わせの2相系多結晶体である、かんらん石-単斜輝石系、かんらん石-直方輝石系を作製した。 通電実験:試料の電気物性を調べるために、電場、炉内温度を徐々に上げて試料の電流を測定した。試料の電気伝導率が上がりフラッシュが起きる電場、温度の条件よりも下のFAST領域で変形実験ができるような実験条件を見出した。 変形実験:通電岩石の変形特性を決めるために温度1260℃、歪み速度10^-4/s、電場1000V/cmで通電圧縮変形実験を行った。 実験試料の組織解析:実験前後の試料の微細構造解析を行った。研究代表者が在籍する静岡大学の走査型電子顕微鏡(FE-SEM)と、エネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変形試験機の導入が遅れていたが2022年の4月に納品され、研究室の学生さんの助けもあり、実験結果も出つつある。岩石試料の電気物性は試料作製時の雰囲気に大きく影響することが分かり、大量に同じ条件で作製した試料を用いて系統的な通電実験を行い、再現性のあるデータを取る予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は変形実験の結果を踏まえ電場 - 粒径 - 粘性率の関係則を構築、地球マントルへの応用を目指す。
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