2021 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導線材の実用化を可能にする高機能導電性酸化物の探索的研究
Project/Area Number |
21H01369
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土井 俊哉 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (30315395)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高温超伝導線材 / 導電性中間層 / エピタキシャル成長 / 結晶配向制御 / 立方体集合組織Cuテープ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、(Sr1-XLaX) TiO3、(Sr1-XYX) TiO3、(Sr1-XNdX) TiO3、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZAlZ)O3、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZGaZ)O3の焼結体試料を作製した。(Sr1-XLaX) TiO3は0≦x≦0.5の範囲でペロブスカイト構造の単相試料を作製することができた。(Sr1-XYX) TiO3は0.05≦xの範囲でペロブスカイト構造の単相試料を作製することができなかった。(Sr1-XNdX) TiO3は0≦x≦0.4の範囲でペロブスカイト構造の単相試料を作製することができた。(Sr1-XLaX) (Ti1-ZAlZ)O3については、0≦z≦0.1の範囲でAlがTiサイトに固溶してペロブスカイト構造の単相試料を作製することができた。(Sr1-XLaX) (Ti1-ZGaZ)O3については、0≦z≦0.1の範囲でGaがTiサイトに固溶してペロブスカイト構造の単相試料を作製することができた。 これらの結果を踏まえて、還元性雰囲気中でMgO単結晶基板上に(Sr1-XLaX) TiO3、(Sr1-XNdX) TiO3、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZAlZ)O3、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZGaZ)O3の薄膜試料の作製を試みた。(Sr1-XLaX) TiO3は0≦x≦0.9の範囲で、(Sr1-XNdX) TiO3は0≦x≦0.9の範囲で、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZAlZ)O3、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZGaZ)O3についても0≦z≦0.1の範囲でペロブスカイト構造を有する単相のエピタキシャル成長薄膜を得ることができた。これらの薄膜の抵抗率を測定したところ、室温で0.5 mΩ・cm~100 Ω・cmと導電性を有していることが確認できた。抵抗率と元素置換量x、zの関係は単調な変化を示しておらず、原子価の違いによるキャリアの増減で抵抗率を説明することはできなかった。成膜雰囲気によってペロブスカイト構造からA2B2O7構造への変化が起こるなど、複雑な現象が生じることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は(Sr1-XLaX) TiO3、(Sr1-XYX) TiO3、(Sr1-XNdX) TiO3、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZAlZ)O3、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZGaZ)O3の焼結体試料を作製した。(Sr1-XLaX) TiO3は0≦x≦0.5の範囲でペロブスカイト構造の単相試料を作製することができた。(Sr1-XYX) TiO3は0.05≦xの範囲でペロブスカイト構造の単相試料を作製することができなかった。(Sr1-XNdX) TiO3は0≦x≦0.4の範囲でペロブスカイト構造の単相試料を作製することができた。(Sr1-XLaX) (Ti1-ZAlZ)O3については、0≦z≦0.1の範囲でAlがTiサイトに固溶してペロブスカイト構造の単相試料を作製することができた。(Sr1-XLaX) (Ti1-ZGaZ)O3については、0≦z≦0.1の範囲でGaがTiサイトに固溶してペロブスカイト構造の単相試料を作製することができた。 これらの結果を踏まえて、還元性雰囲気中でMgO単結晶基板上に(Sr1-XLaX) TiO3、(Sr1-XNdX) TiO3、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZAlZ)O3、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZGaZ)O3の薄膜試料の作製を試みた。(Sr1-XLaX) TiO3は0≦x≦0.9の範囲で、(Sr1-XNdX) TiO3は0≦x≦0.9の範囲で、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZAlZ)O3、(Sr1-XLaX) (Ti1-ZGaZ)O3についても0≦z≦0.1の範囲でペロブスカイト構造を有する単相のエピタキシャル成長薄膜を得ることができた。これらの薄膜の抵抗率を測定したところ、室温で0.5 mΩ・cm~100 Ω・cmと導電性を有していることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2021年度に得られた単結晶薄膜の抵抗率の温度依存性やキャリア密度、移動度などを測定し、伝導機構を研究する、また、結晶方位の揃ったCu基板上にエピタキシャル成長する条件探索を実施する。3軸配向膜が得られた場合には、その酸化物3軸配向膜上に更にY123薄膜のエピタキシャル成長を試み、3軸配向Y123薄膜が得られたものについては、Tc、Jc測定を実施する。また、断面の微細組織観察を行って、界面付近の反応の有無や、各元素の拡散の有無などを調べる。また、新しい組成の導電性酸化物の探索を引き続いて実施する。
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Research Products
(1 results)