2023 Fiscal Year Annual Research Report
Radiation technology for new concrete material development that significantly increases productivity
Project/Area Number |
21H01402
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉山 隆文 北海道大学, 工学研究院, 教授 (70261865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩嗣 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10573660)
高橋 駿人 東京理科大学, 創域理工学部社会基盤工学科, 助教 (30861786)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | X線CT / コンクリート / 研究生産性 / 新材料 / 新工法 / 劣化現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
セメント系硬化体の性質を調べる研究は、これまで長期間に及ぶ試験時間と比較的大規模な供試体が使用されてきた。特に長期間の試験期間を要する耐久性に関しては、セメント水和物からのカルシウム溶出による空隙構造の変化がある。この劣化が長期間進行することで空隙構造が粗大化し、強度低下や劣化因子の浸透がさらに増大して、やがてコンクリートは崩壊する。本研究ではこの劣化現象についての研究生産性を向上させるために、引き続き微小供試体を用いた短時間の実験から、マイクロメートルオーダーで分析できる放射線利用の有効性を調べることを目的とした。1か月程度の溶出試験を実施した微小供試体に対して、X線CT画像の解析結果から、円縁周辺部で水酸化カルシウムの溶出に伴い空隙が増加することを確認した。しかし、溶出試験前に供試体を炭酸化処理すると、変質領域が不明確になることを示した。これは、炭酸化によって、水酸化カルシウムよりも難溶性の炭酸カルシウムが生成したことが原因と考えられた。また、変質領域と非変質領域における拡散係数の相違を、CT画像解析とランダムウォークシミュレーションから定量的に示すことが可能であることを確認した。そして、拡散係数を用いることで劣化進行の将来予測を行った。10年間の模擬計算において、カルシウム溶出によって粗大化した空隙構造内部に浸透するストロンチウムの移動を予測した。10年後にはカルシウム溶出によってストロンチウムは深部にまで浸透することを示した。これによって、放射線技術と数値演算処理を組み合わせることで、コンクリートの溶脱現象の再現と将来予測が可能であることを実証し、研究生産性が向上することを示した。また、3Dプリンティングコンクリートの積層状態を可視化することで、施工の生産性を向上する新しい材料と工法について研究した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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