2021 Fiscal Year Annual Research Report
Reliability improvement and application scope expansion in the laboratory measurement of sound insulation of building elements
Project/Area Number |
21H01488
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐久間 哲哉 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80282995)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 尚久 前橋工科大学, 工学部, 講師 (00755803)
西沢 啓子 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部物理応用技術部光音技術グループ, 副主任研究員 (90570416)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 建築環境・設備 / 音・振動環境 / 遮音 / 数値解析 / 音響計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
建築部材の音響透過損失の実験室測定法に関して、JIS及びISOで規格化されている不整形残響室(タイプⅠ)及び矩形室(タイプⅡ)の両タイプの試験室を対象として、第一に、試験室の各要因が測定の正確性・再現性に及ぼす影響の検証、第二に、新たな測定法による低周波域への適用範囲拡大、第三に、低遮音性試料の測定精度の向上を、理論検討班・数値解析班・遮音実験班の3班の相互協力により推進する。初年度は、当初5月にオンラインにて初回全体会合を開催し、研究の全体計画と各班の検討内容を協議した上で、その後は随時実験・解析方法の詳細について意見交換を行いながら、以下の作業を進めた。 課題1)試験室の測定再現性評価:遮音実験班は、タイプⅡ試験室において基準試料(軟質遮音シート)の遮音測定を行い、理論値との比較により試料面積(室間全面および小面積)および開口部配置(小面積の場合)の影響を検証した。数値解析班は、上記実験条件を模擬した音響FMBEM解析を全周波数域で実施し、実験結果との良好な対応を確認した上で、試験室条件(吸音の程度・吸音面の配置)を変更した解析により測定誤差への影響を明らかにした。 課題2)低周波域の測定適用範囲拡大:遮音実験班は、サブウーハ音源を導入するとともに従来法の室中央部に加えて室隅部測定点を配置した通称「コーナー法」の測定システムを構築し、基準試料を対象として試験測定を実施した。理論値との比較により、従来法に対するコーナー法の精度向上が確認されたが、コーナー法の詳細設定については検討の余地が残された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、課題1)試験室の測定再現性評価に関しては、予定通り、タイプⅡ試験室における遮音実験を完了し、数値解析との比較検討も加えた成果は査読論文1編、大会発表論文1編として公表した。また、課題2)低周波域の測定適用範囲については、第一段階の試行測定を実施し、次年度の追加実験と数値解析による検討につながる状況に達しており、およそ当初の予定通りに進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度では、課題1)および2)の遮音実験を基準試料を対象としてタイプⅡ試験室のみで行ってきたことから、次年度は一般的な壁構造を試料に加えてタイプⅠ試験室においても遮音実験を実施し、試験室タイプ間の比較検証を行う予定である。また、低周波域の測定法に関する追加検討として、新規に導入したコーナー法における設定(音源・追加測定点の個数・位置および補正計算手法)について、より詳細な検討を数値解析により行った上で、検証用の追加実験を計画・実施する。課題3)低遮音性試料の測定精度の向上に関しては、基準試料の測定データを元に、室間音響連成を考慮した理論による測定値の補正方法について検討を進める。
|
Research Products
(4 results)