2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the adaptive model of thermal comfort in Japanese office buildings and clarification of its mechanisms
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21H01496
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西名 大作 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (60208197)
森 太郎 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (70312387)
中谷 岳史 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (80469585)
源城 かほり 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (90315648)
宇野 朋子 武庫川女子大学, 建築学部, 准教授 (90415620)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オフィスビル / 熱的快適性 / 快適温度 / 適応モデル / 行動的適応 / 窓開放 / 着衣量の調整 / 扇風機利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
東海のオフィスにおける温熱環境の実測と熱的快適性に関する調査を行った。多くの執務者の快適温度は22~27℃になっていた。快適温度とグローブ温度に高い相関関係がみられ,執務者がオフィスの温度に快適に感じていたことが分かった。(リジャルH.B.) 北海道のオフィスにおける温熱環境の実測と熱的快適性を調査した。その結果,行動量の増加に伴い寒暑感は増加し快適温度は低くなっていた。また,着衣量の増加に伴い寒暑感は減少し快適温度は高くなっていた。外気温度の高低に関わらず快適温度範囲は変化しないことが分かった。(森太郎) 長野県と秋田県で調査する建物の確保,測定機器の準備,アンケートを倫理委員会への手続きを行った。長野地域では,長野県庁,工務店1社,建材会社1社の調査準備を完了することができ,2022年5月から計測を開始する。(中谷岳史) 関西のオフィスで調査を実施した。秋季~冬季の調査結果では,平均快適温度は 24.3℃であり,寒がりの方が快適温度のばらつきが広い傾向であった。快適温度と外気温の相関関係が非常に弱いのは,短期間の調査結果の分析であることと,執務者達が季節変動の小さい室内温熱環境で勤務しており,それに慣れてしまったためと考えられる。(宇野朋子) 中国のオフィスにおける,温熱環境の実測調査と熱的快適性に関する調査をもとに,寒暑感分布と冷暖房使用状況の違いを示す各モードにおける快適温度を示した。また,快適温度と外気温度の関係についても検討したものの,調査期間が短くサンプル数の影響もあって,明確な傾向はみられなかった。(西名大作) 九州のオフィスで温熱環境の実測と熱的快適性に関する調査を分析した結果,快適温度は冷暖房非使用時で24.3℃,冷房時で26.0℃,暖房時で23.2℃であった。快適温度と外気温度の相関関係は高く,外気温度に応じて快適温度が変動していることが分かった。(源城かほり)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように,本研究のデータ収集,データ入力,データ分析などは順調に進んでいる。今まで取得したデータを分析し,日本建築学会関東支部研究発表会において2編の論文を発表し,日本建築学会大会に8編,日本建築学会北海道支部研究発表会に1編の論文を投稿している。また,関東で取得したデータを分析し,The Journal of Engineering Research で1編の査読論文を発表し,Routledge Handbook of Resilient Thermal Comfortでは2つの章を執筆するなど,研究成果を国際的に発信している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の流行拡大の影響で調査開始が遅れた地域もあるが,各地域で調査を行っている。現在,一年を通したデータを取得できるようにフィールド調査を進めている。調査終了後にデータ入力,データ整理を行う。今後,年間のデータを分析して,日本建築学会,空気調和衛生工学会,国際会議,学術雑誌等で論文発表を行う予定である。また,2022年度から長谷川兼一(秋田県立大学),斎藤輝幸(名古屋大学),都築和代(関西大学),今川光(大阪工業大学)と高田宏(広島大学)を研究分担者に加えて,それぞれの地域でより幅広いデータを取得すると同時に,研究者間の連携を深め,より良い研究成果を獲得,公表することで,社会に貢献したいと思っている。 2022年度の研究費は概ね申請時の計画通りに使用する。主な内容は調査旅費,学会発表旅費,データ分析の謝金などである。
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