2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high-performance thermoelectric materials using impurity states formed near the band edge
Project/Area Number |
21H01628
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
竹内 恒博 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00293655)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 熱電材料 / ナノバルク材料 / 低格子熱伝導度 / 電子構造制御 / 大きな出力因子 / 大きな無次元性能指数 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本が2050年までに実現を目指すカーボンニュートラル社会の構築に寄与する高性能熱電材料を開発するための革新的技術として,本研究では,『強散乱極限に達している縮退半導体のバンド端近傍に不純物準位を形成することで著しく小さな熱伝導度と大きな出力因子を共存させる手法』を確立することを目的とした.この手法により,世界最高性能の(多結晶状態でZT > 4.0を示す)バルク熱電材料を創製し,省エネルギー技術としての熱電発電のポテンシャルを示すとともに,研究代表者が提案してきた高性能熱電材料設計指針の妥当性を証明することで熱電材料開発にパラダイムシフトをもたらすことを目指した. Si-Ge系材料においてメカニカルアロイング法によるナノ粒子化を行い,かつ、粒成長を抑制できる比較的低温にて通常焼結よりも10倍程度高い圧力で焼結することで,1W/(mK)を下回る熱伝導度を有する材料を創製することに成功した.さらに、1at.%程度のFe不純物により伝導帯下端に不純物順位を形成させ,かつ,Pでキャリア濃度を制御することで,ZT = 3.7という目標値に近い大きな無次元性能指数を達成した. 上記の手法で著しく性能の高いSi-Ge系ナノバルク熱電材料を創製することに成功したが,ナノ粒子を用いるために,プロセス中の酸化が問題となり,再現性の確保が難しい状況であった.この問題を解決するために,焼結中に試料から酸素を脱離させる新しい方法を開発することに成功し,再現性良くZT > 4を得られるようになった. 上記の結果により.ナノ構造を利用して著しく低い格子熱伝導度を達成した半導体材料において,エネルギーギャップ近傍の電子構造を建設的に変調させる方法の有効性を示した.さらに,非調和振動を利用した低格子熱伝導度半導体材料においても,電子構造の変調を用いて材料の性能を向上させることに成功した.
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)