2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of tunable gold nanostructures for novel nanopore devices
Project/Area Number |
21H01736
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三友 秀之 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (50564952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70261196)
矢野 隆章 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (90600651)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 表面プラズモン共鳴 / 金ナノ粒子 / 可動型ナノ構造 / 分子検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、金属ナノ構造体が特定波長の光の照射下で示す表面プラズモン共鳴を利用した生体高分子の高感度検出法として、表面増強ラマン散乱測定基材の開発に取り組んでいる。表面プラズモン共鳴は金属ナノ構造体の中でも鋭利な部分で強く増強され、特に狭いギャップ部位において著しく増強されることが知られているが、その狭いギャップ部位にいかに効率的に測定対象物質を導入できるかが重要な課題となっている。本研究では、独自に開発した「ハイドロゲルを利用して金属ナノ構造体のギャップ距離を変える技術」を基板上に形成したナノポアに組み込むことで、この課題の解決を目指している。具体的には、三角形プレート状ナノ粒子を円形のナノポアに6つ頂点が向き合った形で導入する技術を開発する。さらに、このナノ粒子をハイドロゲルと複合化し、ナノスケールでギャップを制御するシステムへと組み上げる。当該年度においては、気-液あるいは液-液界面における自己組織化の手法を用いて異方性ナノ粒子を並べ、基板上に転写する手法の開発に取り組み、頂点が近接した状態で密に粒子が配置された薄膜を形成することに成功した。一方で、ナノポアにプラズモニックナノ粒子を精密に配置する技術の確立に関しては進行途中であり、検討の余地が残っている。ナノポアへのプラズモニックナノ粒子の精密配置技術の確立については、ポアの孔径や表面の物性など調整しながら検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては、三角形金ナノプレート粒子に加え、新たに銀キューブ粒子を作製し、気-液あるいは液-液界面における自己組織化の手法を用いて異方性ナノ粒子を並べ、基板上に転写する手法の開発に取り組んだ。表面修飾分子を検討することで、頂点が近接した状態で密に粒子が配置された薄膜を形成することに成功した。粒子の種類を変えることで、応答する波長領域の制御が可能になるため、測定に用いるレーザーに合わせることが可能になると期待される。また、ナノポアにプラズモニックナノ粒子を精密に配置する技術の確立に関しては進行中であり、検討の余地が残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ナノポアへのプラズモニックナノ粒子の精密配置技術の確立を目指し、ポアの孔径や表面物性など調整しながら、検討を進めていく。ナノポアへの粒子の配置ができた後は、その上でハイドロゲルを合成し、ハイドロゲルの膨潤・収縮による粒子間距離の精密制御を確認する。その後、粒子間距離が与えるナノポアの透過性を調べる。以上により、新しいナノポアセンサーへの基礎的な知見を得ていく。
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