2021 Fiscal Year Annual Research Report
Environment-resistant molecular sensor by plasmonic Raman spectroscopy without the proximity of metals
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21H01847
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
南川 丈夫 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (10637193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 武史 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 教授 (70314408)
矢野 隆章 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (90600651)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ラマン散乱分光法 / 分子センサー / 増強ラマン散乱 / プラズモン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,これまで検査可能環境の制約(pH,温度,場所,センサー部に力が加わる環境など)を取り払い,様々な環境で網羅的に微量な分子を識別することが可能な耐環境性分子センサーを開発する.これにより,現在需要が急拡大している環境測定や食品安全性検査などの技術基盤を提供し,持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する. 2021年度は,金属との接触を必要としない増強ラマン散乱現象を用いた分子センサーの有効性について基礎的検証を行った.まず,南川を中心として,金属との接触を必要としない増強ラマン散乱現象を用いた分子検出能についての基礎特性を明らかにした.特に,ナノ構造構築における製造方法や条件依存性,ラマン散乱,蛍光などの光増強度,分子種依存性,励起波長依存性などを明らかにした.次に,開発した分子センサーの有効性を示すため,分子センサーの中核を成す光増強基板の基本プロトコルの作成と耐環境性の向上を行った.特に,南川を中心として光増強基板の製作工程の各条件(使用する材質,金ナノ構造・非金属ナノ構造の作成に用いるスパッタリング条件など)を最適化し,安井らを中心として生体分子の検出能を評価し,光増強度,光増強距離,増強可能な分子種について明らかにした.また,矢野らを中心として開発した分子センサーの位置づけについて検討した.その結果,通常環境(常温常圧,湿度50%以下)において,1ヶ月以上の長期保存可能な基板の開発を実現し,その有効性を実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,分子センサーの開発,基本プロトコルの作成,耐環境性の向上を実現でき,開発した分子センサーの有効性を実証できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,当初の計画通りにおおむね順調に研究が進展している.そのため,2022年度は,当初の研究計画に則り,金属との接触を必要としない増強ラマン散乱現象を用いたハイエンド型分子センサーの開発とその有効性の検討について,研究を推進していく.
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Research Products
(16 results)