2022 Fiscal Year Annual Research Report
Tick-borne diseases in brown bears and sika deer as hosts - Which determines the prevalence, host or vector?
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21H02350
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坪田 敏男 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (10207441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐鹿 万里子 北海道大学, 獣医学研究院, 助教 (30722954)
下鶴 倫人 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50507168)
中尾 亮 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50633955)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒグマ / シカ / マダニ媒介性感染症 / Disease Ecology / クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道のヒグマおよびシカにおけるマダニ媒介性感染症の感染要因を明らかにするために、昨年度に続き、道北、道東および道南で狩猟、個体数調整および有害捕獲によって捕殺されたヒグマおよびシカの死体より、死後なるべく速やかに血液、肝臓ならびに寄生マダニを採集し、検体数を増やした。また、学術捕獲により両種より血液と寄生マダニを採集した(昨年度より検体数を増やした)。さらに、宿主側の要因の一つ、行動様式を明らかにするために、ヒグマ・シカ用捕獲ワナで生捕りしたヒグマ・シカに麻酔下でカメラ付きGPS首輪を装着し、両種の行動を数ヶ月間にわたり追跡した(頭数を増やした)。上記ヒグマ、シカおよびマダニ検体よりDNAを抽出し、PCR法によりマダニ媒介性病原体を検出し、3地域での感染率を比較検討した。本年度は、道東の知床地域において重点的にシカにおけるマダニの寄生状況を把握するために調査を行なった。すなわち、6-10月の期間、毎月シカを10頭ずつ生捕り、シカから血液を採取するとともに、マダニ種毎に寄生部位および寄生数を調べた。その研究成果の一部を日本獣医学会ならびに日本生態学会の学術集会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通りに調査研究を行えているため
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに採集したヒグマ、シカおよび寄生マダニについて病原体を検出する作業を進める。道北、道東および道南における寄生マダニ種やその数の違いと宿主の病原体の感染率との関係を分析し、マダニ媒介性感染症の感染率を決める要因が主に宿主側にあるのかベクター側にあるのかを検討する。ま次年度が最終年度になるので、その結論を得たいと考えている。た、宿主側要因の一つであるヒグマとシカの行動様式を把握するために、これまでに装着したカメラ付きGPS首輪を順次回収し、データを分析する予定である。ヒグマとシカの行動様式の違いが、マダニ媒介性病原体の感染率の違いに関係するのか否かについて検討する。
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