2021 Fiscal Year Annual Research Report
情報通信技術を応用した光学的大規模膜電位計測法の開拓
Project/Area Number |
21H02437
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三上 秀治 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60754976)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 高速イメージング / 蛍光顕微鏡 / 多光子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は各種多重検出方式の検討のための多光子蛍光励起・検出実験基盤の整備および方式検討を行った。環境基盤の整備については、二光子励起が可能なパルスレーザーの選定、手配を行うとともに、各種方式の検討が可能な完全自作の多光子顕微鏡を構築した。特に、各種多重検出方式の検討に必須のデバイスである空間光変調器を導入し、本変調器を用いてパルスレーザー光を変調する際の動作速度の詳細(パターンの計算時間、データ転送時間、パターン切り替え時間)を評価した。複数の空間光変調器を比較し、最も高速なもの(パターン切り替え速度約2.5 ms)がデータ転送を含めて約10 msで動作することを確認した。この結果は、計測対象が動く場合など、計測点を動的に変更する必要がある場合にも計測のリアルタイム性が得られることを示唆しており、検出方式の拡張性を担保するものである。一方で、パターンの計算時間は変調器ではなく使用したワークステーションのハードウエア構成に依存する。今回、CPUを用いた計算で40 ms程度の時間を要したが、左記のリアルタイム性の要求次第ではGPUを用いて高速化する必要が生じることがわかった。多重検出方式の検討については、周波数分割多重方式の検討を行った。動作確認として、3つの蛍光ビーズを計測対象の試料としてスライドガラス上に配置し、カメラで明視野画像を撮像して画像処理により位置検出を行い、各蛍光ビーズの中心にそれぞれ異なる周波数で強度変調したフェムト秒レーザーパルスを照射することにより、検出信号から各蛍光ビーズの輝度の測定を行うことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験検討の要となるフェムト秒レーザーやワークステーションの導入がコロナ禍の影響により当初予定より遅れたものの、予定どおり基盤となる測定環境の構築及び多重方式の検証ができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に立ち上げた実験基盤を拡充して生体試料の評価や他の多重検出方式の検証を可能にするとともに、多重検出方式の理論および実験検討を進める。
|
Research Products
(4 results)