2022 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of signal transduction by TRIM family ubiquitin ligases
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21H02674
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
畠山 鎮次 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70294973)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ユビキチン / TRIMタンパク質 / 質量分析 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らのこれまでの研究により、免疫反応やがん化に関する細胞内シグナル伝達におけるTRIMファミリーユビキチンリガーゼ群の重要性が明らかとなっている。特に細胞増殖のみならず、細胞分化過程を制御するシグナル伝達系やオートファジーの制御に、TRIMファミリーユビキチンリガーゼが関与していることが示され、最近では細胞内情報伝達系の多くの分野において注目されている。本申請においては、網羅的ノックダウンスクリーニングやユビキチン化に特化したプロテオミクス的手法により、TRIMファミリーユビキチンリガーゼを基軸とした細胞内ネットワークシステムを網羅的に解析している。さらに、TRIMファミリーのがん化および免疫系での機能を解明することで、臨床医学(自己免疫疾患、アレルギー疾患及びがん等)に貢献する知見(疾患特異的バイオマーカーや創薬シーズ等)を得ることを進めた。 今年度は複数のTRIMタンパク質に関して結合タンパク質および基質タンパク質候補を同定し、その機能的解析を進めた。特にがん化制御に関連するTRIM27に関して解析した。免疫組織化学染色法を用いた鼻副鼻腔粘膜悪性黒色腫(sinonasal mucosal melanoma:SNMM)におけるTRIM27の発現と臨床経過の関連解析では、TRIM27の発現はT4とstage ⅣにおいてTRIM27の発現が有意に高かった。また、TRIM27高発現群では、全生存期間および無病生存期間が有意に低下しており、また治療後に遠隔転移を来す割合が有意に高かった。全生存期間の単変量解析において、TRIM27とT分類が有意な予後不良因子であった。無病生存期間の単変量解析では、TRIM27、T分類、頸部リンパ節転移が有意な予後不良因子であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した実験が概ね遂行され、かつ興味深いいくつかの結果を得ているから。
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Strategy for Future Research Activity |
同定された遺伝子に関して機能解析を行い、臨床検体を使用した解析も進める。
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Research Products
(4 results)