2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of epithelial sheet formation and its repair through the tight junction
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21H02684
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
米村 重信 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60192811)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 損傷修復 / 上皮シート / タイトジャンクション / ZO-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
・隣接する細胞が死んだ場合のタイトジャンクション(TJ)の構造、構成分子の経時的な変化とアクトミオシンの集積の光学、電子顕微鏡による解析 本年度はこの課題について取り組んだ。年度の途中で所属大学に新しい走査型電子顕微鏡が導入された。この顕微鏡は連続切片の自動画像記録の設定が付属されている。本研究課題について電顕レベルの三次元情報を得て、TJの崩壊、新生を欠落なく理解することが可能となるため、この顕微鏡の使用に慣れることと、連続切片の作成、回収にかなり時間を費やすこととなった。その結果として、細胞培養の基質、固定法、電子染色法や超薄切片作成の方法、回収のための基盤(シリコンウエハ)のカッティング、回収作業などについて、データを安定して取れるまでの技術習得段階に達することができた。一方、光学顕微鏡レベルで隣接する細胞が死んだ時にTJがどのように崩壊するかについて、ZO-1の挙動を多くの固定サンプルを用いて蛍光抗体法により解析を行った結果、ZO-1がTJの生細胞側から即座に消失することはなく、一見量が増えているようであった。詳細に観察すると、TJに沿って細い線状に分布していたZO-1が破線のように凝集した丸い点が間隔を置いて連なっているような例が多かった。ZO-1は細胞内で液液相分離によって小さな点状の塊となり、それが細胞膜上でTJの膜タンパクと合体して線状に分布するようになると考えられるようになっているが、TJの崩壊時には逆のことが起こって、ZO-1が線状に維持できなくなり、点状になるという可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に関しては、この研究費で導入予定だったレーザー機器の納入が9月になったことにより、少々、実験が遅れたということがある。また、7月に所属大学に導入された走査型電子顕微鏡とそれを利用するための試料作成の技術習得に時間を費やしたため、その分研究の進行は遅れている。ただし、この技術習得によってより詳細な電子顕微鏡レベルのデータが得られることになるため、質の高い研究成果につながると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後に関しては、準備がほぼ整った電子顕微鏡レベルの形態情報とライブイメージングによるTJコンポーネントの動態を行い、TJ崩壊の過程を詳細に明らかにすることを最初に行う。ついで、その際のZOタンパク質のリン酸化や結合タンパクなどの質的な変化をTJ形成前後で比較する。令和4年度から研究室に新たなメンバー(研究生)が入り、この研究課題に協力する予定なので、より強力に推進できる見込みである。
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Research Products
(2 results)