2022 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of epithelial sheet formation and its repair through the tight junction
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21H02684
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
米村 重信 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60192811)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 損傷修復 / 上皮シート / タイトジャンクション / ミオシン / 張力 |
Outline of Annual Research Achievements |
タイトジャンクション形成に関するシグナリングに関して、シグナル分子である三量体Gタンパクのαサブユニットに含まれる、G12alpha, G13alpha,がTJ形成に重要という報告が最近なされた。これまでG12alpha,, G13alpha,の活性化はその下流でミオシンを活性化させ、ストレスファイバー形成を促すと考えられてきた。これはミオシンの活性化がTJ形成に重要であることを示唆する。G12alpha,, G13alpha,の活性がTJ機能を阻害するという報告もあるので、状況は複雑だが、一方、DLD-1細胞ではカドヘリン接着を阻害してもさらにミオシン活性を阻害することでTJ形成が促進されるという結果を私たちは得ている。このあたりの矛盾を明らかにして、TJ形成におけるミオシンの役割を理解するため、G12alpha,, G13alpha,についてsiRNAによるノックダウンを試み、DLD-1細胞ではTJ形成が著しく阻害されることを確認した。市販のG12alpha,, G1alpha,抗体に関しては、細胞染色では核などへの非特異的反応が強いものの、TJ付近への集積も認められた。 ミオシンによる張力と上皮シート修復との関係を明らかにするために、修復時に細胞表面蛋白質に対する抗体をコートした磁気ビーズを細胞表面に付着させ、その磁気ビーズをネオジム磁石で引っ張り、特定方向の力を与えるという実験を新たに行った。細胞には蛍光ミオシンを発現させており、修復時に形成されるアクトミオシンリングを追跡して修復の程度をモニターするというライブイメージングによって解析を行なった。傷害の穴が広がる方に力がかかった方が、修復のスピードが速いという興味深い結果が出ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイトジャンクション形成についてG12alpha, G13alphaに着目することにより、分子機構の解明により近づいた実感がある。そのため、形態学的なアプローチを一旦止めて、分子機構の方に舵を切っている。総合的な理解のためにはより良い方針と考えている。 一方、ミオシンによる張力と上皮シート修復との関係を明らかにするために、修復時に細胞表面蛋白質に対する抗体をコートした磁気ビーズを細胞表面に付着させ、その磁気ビーズをネオジム磁石で引っ張り、特定方向の力を与えるという実験を学生とともに行った。細胞には蛍光ミオシンを発現させており、修復時に形成されるアクトミオシンリングを追跡して修復の程度をモニターするというライブイメージングによって傷害の穴が広がる方に力がかかった方が、修復のスピードが速いという興味深い結果が出ており、これについてはさらに進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
TJ形成の機構についてG12alpha, G13alphaの意義を明らかにする。その局在が細胞極性タンパク質や、ZO-1などTJタンパク質の影響を受けるのかを検討する。また、その活性化の下流がミオシンであるかどうかをノックダウン、活性型変異体の発現により検証する。G12alpha, G13alphaの意義が大きいことが明らかになれば、ノックアウト細胞の作成を行い、さらに明確な解析に進む。
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Research Products
(4 results)