2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規に開発した基質同定法を用いたがんドライバーユビキチンリガーゼの機能解析
Project/Area Number |
21H02690
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 昌 北海道大学, 医学研究院, 講師 (10632424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 豪 北海道大学, 医学研究院, 助教 (10712705)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)がん関連ユビキチンリガーゼ基質同定プローブの作製と安定発現細胞株の樹立:解析対象の18種類のユビキチンリガーゼ遺伝子を入手し、基質を捕獲するためのユビキチンリガーゼプローブをレトロウイルス発現ベクター上に組み込んだ。今年度は変異していない野生型のユビキチンリガーゼ遺伝子について作製を行った。作製したプローブベクターを用いてレトロウイルスを作製し、プローブを安定に発現する細胞株作製を試みたところ、13種類のプローブについて作製に成功した。残り5種については細胞毒性のために作製できなかった。 (2) イオントラップ・オービトラップ型質量分析器による基質・結合分子同定:樹立した13種類の細胞からユビキチン化タンパク質を精製し、高感度質量分析計にて網羅的な同定を行った。具体的には、それぞれの細胞を可溶化し、抗FLAG抗体で免疫沈降を行い、第一段階の精製を行った。トリクロロ酢酸を用いて沈殿後、アセトンによる洗浄、乾燥、ジチオスレイトールにて還元、ヨードアセタミドにてアルキル化を行った後にトリプシンにてペプチドへと分解後、脱塩処理を行った。さらに抗ユビキチンレムナント抗体で再度免疫沈降を行い、第二段階の精製を行い、再度脱塩処理を行った。得られたサンプルについて質量分析を行った。実験は全て3回繰り返した。得られた結果は、過去に我々が行い蓄積している同様の基質同定結果と比較してスコアを算出することで、個々のユビキチンリガーゼ特異的な基質候補を抽出した。抗ユビキチンレムナント抗体について、これまではアガロースビーズに結合したものを使用していたが、今年度はマグネットビーズに結合した抗体についても検討を行い、アガロースビーズと同等またはそれ以上の結果が得られることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた実験が概ね遂行できており、今年度に得られた知見を元に来年度もさらに研究を進展させる段階にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
基質候補が得られたE3遺伝子について、さらに検証を進め、基質のユビキチン化を介したがん細胞機能制御メカニズムについて解析を行う。
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Research Products
(5 results)