2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規に開発した基質同定法を用いたがんドライバーユビキチンリガーゼの機能解析
Project/Area Number |
21H02690
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 昌 北海道大学, 医学研究院, 講師 (10632424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 豪 北海道大学, 医学研究院, 講師 (10712705)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ユビキチンリガーゼFBXO11によるCIITAのユビキチン依存的分解 MHCクラスIIのマスターレギュレーターであるCIITAのユビキチンリガーゼとしてFBXO11を同定した。FBXO11の発現量依存的にCIITAタンパク質量は減少し、FBXO11のノックアウトにより逆に増加した。FBXO11はCIITAをユビキチン化し、プロテアソームによる分解を促進していた。CIITA量の変動に応じてMHCクラスII発現量も変動していた。公開がんゲノムデータベースを用いて、乳がん患者におけるFBXO11とCIITA発現量と生存期間との関係を調べたところ、FBXO11発現が低くCIITA発現が高い患者群は、FBXO11発現が高くCIITA発現が低い患者群に比べて生存期間が長いことが明らかとなった。 2)一次繊毛の形成や機能を制御するタンパク質を基質候補とするユビキチンリガーゼ Alphafold2を用いて詳細な結合様式の推定を試みたが、妥当な予測構造を得ることができなかった。次にクロスリンク質量分析法によって近接する両分子のアミノ酸残基の決定を試みたがクロスリンクしたペプチドを得ることができなかったため、現在クライオ電子顕微鏡による構造解析を目指し、サンプル調製を行っている。 一次繊毛の形成や機能の不全により、腎嚢胞、内臓逆位、網膜色素変性症といった多岐に渡る異常が生じることが明らかになっており、ヒトでは繊毛病と呼ばれている。本ユビキチンリガーゼが個体レベルでどのような機能を担っているかを明らかにすべく、ゼブラフィッシュでの検討を行った。ゼブラフィッシュにおけるホモログと推定された遺伝子をモルフォリノアンチセンスオリゴによってノックダウンしたところ、対照群と比べて胚の生存率が低下し、生存した胚において体の湾曲、耳石の異常、目や手の形態異常といった繊毛病に特徴的な異常が出現することを見出した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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