2021 Fiscal Year Annual Research Report
人工知能を理解し、適切に開発・活用する資質・能力を育む教材の開発と検討
Project/Area Number |
21H03908
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
小八重 智史 宮崎大学, 教育学部, 講師
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人工知能 / 中学校技術科 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき社会として「Society5.0」が提唱され、その中心を担う技術には人工知能(AI)が位置付けられた。一方で、将来的なAI人材の不足が指摘されており、「イノベーション政策強化推進のための有識者会議「AI戦略」(AI戦略実行会議)」は、AI人材の育成・確保は緊急的かつ長期的課題であると指摘するとともに、これまでの教育方法の抜本的な改善を行うことを示した。そこで、本研究は、義務教育段階において技術リテラシーを育むと共に、プログラミング教育の核を担う中学校技術・家庭科(技術分野)におけるAI技術学習用教材として、ディープラーニングAIの機械学習モデルを構築する教材を開発し、その有用性を検討することを目的とした。 本研究で開発した、機械学習モデル制作教材は、生徒の身近なところで使われており、比較的機械学習の仕組みを把握しやすい画像認識を取り上げることとし、開発環境にはGoogle Colaboratoryを採用した。また、機械学習モデル制作教材において、生徒に試行錯誤させるポイントを抽出するために、画像認識AIが持つべき要件を「正確さ」、「素早さ」、「柔軟さ」とし、それを基に「性能に関わるポイント」を4点抽出した。そのうち3点のポイントについて生徒が工夫してパタメータ調整できるようにするとともに、調整後に制作した機械学習モデルの学習状況及び学習結果を視覚的に確認できるようにした。 授業実践の事前及び事後に行った質問紙調査の結果を比較したところ、特に質問項目「人工知能(AI)の仕組みを知っている」 「人工知能(AI)を作ることができる」、人工知能(AI)を工夫してより良くすることができる」において有意な増加が見られ、AIの仕組みについての理解やAIを作ったり改善したりすることを中心に有用感の高まりが確認された。
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