2021 Fiscal Year Final Research Report
定量NMR法を利用した大麻濃縮物中のカンナビノイド類の迅速定量法の開発
Project/Area Number |
21H04185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | 宮城県警察科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
Tachiiri Naoki 宮城県警察科学捜査研究所, 警察職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NMR / 定量 / 大麻濃縮物 / Δ9-THC / Δ8-THC |
Outline of Final Research Achievements |
違法薬物の新たな形状である大麻濃縮物は、従来の大麻よりもΔ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)の含有量が多く、さらにΔ8-テトラヒドロカンナビノール(Δ8-THC)の含有も確認されており、大麻事犯は複雑化している。大麻濃縮物中のΔ9-THC、Δ8-THC の含有量は様々で、それらの含有量を明らかにすることは、人体への影響、流通ルート把握のため重要である。そこで、標準品や検量線が必要なく迅速な定量分析が可能である定量NMRを用い、大麻濃縮物中のΔ9-THC、Δ8-THCの定量を行ったところ、溶媒に重クロロホルムを用いることで、迅速に定量が可能であった。
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Free Research Field |
裁判化学
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
定量NMRは、純度既知の標準品を準備する必要がなく、また検量線の作製が不要となるため、検査時間が大幅に短縮可能である。本研究成果により、大麻濃縮物に含有するΔ9-THC、Δ8-THCの定量分析が迅速に測定可能となり、違法に流通する大麻濃縮物中のΔ9-THC、Δ8-THCの定量値を比較し、製品間の異同識別や流通ルートを把握するなど、薬物規制のための分析技術に大きく貢献することが可能である。 また、本手法は、大麻濃縮物以外、例えば、危険ドラッグ類の定量や品質管理における異物混入や犯罪捜査における毒物混入事案など、様々な分野で役立つ技術となり得る。
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