2021 Fiscal Year Final Research Report
断層心エコー法による新たなスコアリングシステムを用いた拡張期心不全患者の予後予測
Project/Area Number |
21H04272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3210:General internal medicine, organ-based internal medicine, internal medicine of the bio-information integration, and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
Murayama Michito 北海道大学, 大学病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超音波検査 / 心エコー / VMTスコア / 左室駆出率が保たれた心不全 / 予後予測 |
Outline of Final Research Achievements |
心不全患者の約半数は左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)であり、その発症への左室拡張機能障害の関与が指摘されている。左室拡張機能障害に起因する左房圧の上昇はHFpEFの予後不良因子であるが、HFpEF患者ではその評価が困難な場合が多い。本研究では、心エコー検査を受けたHFpEF患者310例を対象として、近年考案された断層心エコー法の視覚的評価に基づいたスコアリングによる新しい左房圧指標を用いたHFpEFの予後予測成績を検討した。その結果、本スコア高値群で有意に心血管イベント発生リスクが高く、かつ本スコアは従来の心血管イベントの予測因子に対する付加的価値を有することがわかった。
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Free Research Field |
超音波検査学
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
本研究では、近年考案された断層心エコー法の視覚的評価に基づいたスコアリングによる新しい左房圧指標が、左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)の予後予測に有用であることが明らかとなった。本スコアは、断層心エコー法のみを必要とし、簡便かつ迅速に評価することが可能である。この汎用性の高さから、VMTスコアは日常臨床において使用し易いという利点を有する。本研究の成果は、日常臨床におけるHFpEF患者のリスク評価に貢献するものと考えられる。
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