2021 Fiscal Year Final Research Report
デザイナーLSDの定性試験法の確立と代謝経路の解明
Project/Area Number |
21H04337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
4120:Environmental analyses and evaluation, environmental conservation measure and related fields and related fields
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Research Institution | 大阪府警察本部刑事部科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
Miyake Akari 大阪府警察本部刑事部科学捜査研究所, 研究員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | デザイナーLSD / 1cP-LSD / ヒト肝ミクロソーム / 代謝 |
Outline of Final Research Achievements |
本研究ではデザイナーLSDの一種である1cP-LSDを合成、GC/MSおよびLC/MS/MSのデータを取得した。さらに、1cP-LSDの摂取証明法を確立するための基礎研究として、ヒト肝ミクロソームを用いた代謝実験を行ったところ1cP-LSDは代謝により速やかに麻薬であるLSDに転換され、未変化体の検出は難しいことが示唆された。さらに、特異的代謝物を探索したところシクロプロパノイル基をもつ4種類の化合物が検出されたが、いずれも生体試料中濃度が低いと考えられた。このため、乱用者から実際に検出されるか否かは今後検討を行う必要がある。
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Free Research Field |
法科学
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
近年、LSDを基に作られたデザイナーLSDの乱用が日本国内で多数確認されており、今後新たな危険ドラッグとして広まることが危惧されるが、デザイナーLSDの分析法およびその代謝物に関する情報は非常に乏しい。今回検討を行った1cP-LSDのようなN-アシル化LSDは麻薬であるLSDを代謝によって生成する可能性があるうえ、デザイナーLSDには未だ規制外のものもあることから、デザイナーLSD摂取とLSD摂取の識別方法の確立は裁判化学において重要である。本研究で得られた知見は,同法を確立するための有用なデータとして活用されると共に,今後の薬物乱用の取り締まりの一助になることが期待される.
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