2023 Fiscal Year Annual Research Report
日本の戦間期~占領期「富裕層」の政治経済史的分析-『人事興信録』30年間の分析
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21H04391
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
増田 知子 名古屋大学, 法学研究科, 特任教授 (10183104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 哲二 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (90183029)
松本 朋子 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 准教授 (50783601)
佐野 智也 名古屋大学, 法学研究科, 講師 (30419428)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 富裕層 / 人事興信録 / 階級 / 軍閥 / 大正デモクラシー / 歴史情報データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
1 佐野は、11月に開催された国際シンポジウム「デジタル・ヒューマニティーズと研究基盤 欧州と日本の最新トレンド」にてポスター発表をおこない、『人事興信録』をデータサイエンスに用いることを目的として全文テキストデータ化し、様々な情報を細かく抽出して統計的な分析に用いていることを紹介した。 2 岡崎と松本は、明治/大正/昭和初期の政治エリートと経済エリートを特定し、同エリートの間で築かれた親族縁戚関係をデータ化することで、日本の近代において、政治経済エリートの親族ネットワークがどのように変化し、また同ネットワークにおける立ち位置が、彼らの出世とどのような関係性を持ったのかを分析した。本研究の骨格部分は完成し、その成果を東京大学のセミナーにて報告し、同時に、ワーキングペーパーを公開した。 (https://www.cirje.e.u-tokyo.ac.jp/research/dp/2023/2023cf1221.pdf) 3 増田は、佐野らとともに戦前の法律・勅令データベースの作成を推進し、自由主義的改革の障害となった法治の実体を容易に可視化する情報基盤の構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1 『人事興信録』の連続した変化を捉えるために、まだデータ化していない第十一版(上巻)のテキストデータ化に着手した。 2 『人事興信録』は、従来からレファレンス資料として広く利用されており、検索データベースとしての需要も高い。そこで、研究成果の一部として、「『人事興信録』データベース」初版・第四版・第八版の一般公開を継続している。一日平均1200ページビューと、利用者数も多い。 3 明治~現代の法律・勅令データベースの作成により、法令の変遷を可視化できる情報基盤を構築した。富裕層の政治的、経済的、社会的選択およびその思想的背景について、立法を通じて解明するツールを得られることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
・4年目の2024年度は、昨年度の『人事興信録』データベース作成の進捗状況をふまえ、主に1930年代のデータベースの整備を継続して進める。 ・立法過程における富裕層・エリートの経済的利害、政治的志向を分析するために、帝国議会議事録、発言者、人事興信録データを紐づけるデータベースの作成を継続する。 ・明治初期からの法令・勅令データベースを下位法令にまで拡張する作業を行う。 ・以上のデータベースを使い、1920年~1930年代の政党政治期と挙国一致内閣期を対象に、自由主義の凋落の原因を解明する。
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Research Products
(7 results)