2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of fuel hydrogen circulation control with carbon pump
Project/Area Number |
21H04456
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
花田 和明 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30222219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大宅 諒 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (10804750)
草場 彰 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (70868926)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 水素リサイクリング / 炭素ポンプ / 高速試料搬送装置 / アモルファス炭素 / 再堆積層 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究は、 1)分子動力学(MD)による素過程計算と基礎実験的検証、2)炭素ポンプの開発、3)既設高速試料搬送装置 (FESTA)による微量炭素ドープによる炭素循環評価、4)炭素ポンプの回収効率評価、5)実機による炭素・水素粒子循環制御実験のステップで進める. 1)についてMD計算のベースとなるアモルファス炭素を第一原理計算で計算機上で構築することに成功した。再堆積層の物理モデルは存在しないためアモルファス炭素で計算を行うこととした。また、構築したアモルファス炭素内に水素をどのように配置するかについては実験時にプラズマ着火前に行う水素ガス導入時を想定することとした。基礎実験装置は、装置の設計・製作・組み上げはほぼ完了した。また、運転用の電源や排気ポンプの設置も行ったので、あとはプラズマ着火を行う段階にある。2)についてはペルチェ素子を用いた炭素回収用の冷却パネルの設計が終了した。3)についてはFESTAでプラズマ暴露したステンレス316L試料からの動的吸蔵の計測に成功した。プラズマ放電中にプラズマ暴露試料を計測チャンバーに引き抜いて封じ切ることで試料からの放出ガスを計測することに成功した。1000秒間の同一の放電に3回連続で暴露することにも成功し、暴露回数が増えることで水素ガスの放出束が増えることを確認した。これは試料内部に吸蔵された水素原子の量に水素リサイクリングが依存することを示している。試料からの動的吸蔵が評価できたことで、再堆積層の影響を定量評価することが可能となり、炭素ドープがリサイクリングに与える影響を定量評価することが可能となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度として予定していた計画は実施できた。基礎実験装置の設計や製作が進み、計算機上にMD計算のターゲットなるアモルファス炭素を構築できたので、今後は基礎実験と計算の結果の比較が可能となる。基礎実験装置はほぼ組みあがっているので、今後はプラズマ着火に成功すれば予定していた基礎実験を実施できる。特にメタンガスによる炭素ドープとそれによる堆積層の構造が評価できれば実機実験に直接つながる成果となる。FESTAでの実機でのリサイクリングの直接計測に成功したことは堆積層の有無による水素リサイクリングの違いを検証する上で非常に重要である。炭素ドープ量とリサイクリングの低減の関係を定量化できれば今後の実機実験を予想する際の重要な知見となる。また、FESTAに設置した試料に堆積する再堆積層を評価することで炭素ドープ量の定量化が可能となる可能性がある。炭素ポンプについては温度制御可能なプラズマ対向壁の設計が終了した。炭素の回収効果については実機での計測が不可欠であるが、温度制御性についてモックアップ試験を実施する予定で準備を進めている。また、炭素ドープについてプラズマへの影響を計測するための分光器の準備を進めている。粒子バランス制御が可能であっても不純物としての炭素の混入はできるだけ避ける必要があるためプラズマへの混入量の定量分析が必要との判断からである。 以上のことから標記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画1)についてはアモルファス炭素に水素が吸着したモデルでプラズマ照射のMD計算を行う。特に試料温度の依存性を計算し、プラズマ対向壁温度を変えた場合にどのような影響が出るかを確認する。2)についてはペルチェ素子を用いた冷却パネルをモックアップ装置内で真空排気して温度制御性の試験を実施した後にQUEST実機に取り付けて炭素の回収の実験を行う予定である。観測結果を1)のモデル計算と比較して回収効率の予測を行う。3)FESATでは動的吸蔵の効果定量評価することに成功したため、再堆積層を含む試料での動的吸蔵並びに再堆積の影響を調査する。炭素導入は固体炭素ではなく、メタン等の気体ガスを燃料ガスに混ぜることを検討している。定量性が高く、微調も可能となることが想定される。このことは基礎実験装置で確認予定である。4)、5)に関しては実機での運用段階で行う予定である。 申請時の計画にはなかったが、プラズマへの炭素ドープの影響を定量評価することは必須であるとの認識で次年度から新たな分担者に加わってもらい、分光による炭素量の同定を行うこととした。次年度以降にQUEST実機に開発した分光システムを設置予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Book] プラズマ・核融合学会誌2022
Author(s)
花田和明, 四竃泰一,藤井恵介,KUZMIN Arseniy,米田奈生,蓮尾昌裕,後藤基志,小林政弘
Total Pages
62
Publisher
一般社団法人プラズマ・核融合学会