2021 Fiscal Year Annual Research Report
Developing Management Frameworks of Unregulated Pollutants Considering Water Recycling in River Basins
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21H04940
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗栖 太 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30312979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 郁朗 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20431794)
島崎 大 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (60322046)
小坂 浩司 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (60370946)
竹内 悠 京都大学, 工学研究科, 助教 (70835272)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | ノンターゲット分析 / 精密質量分析計 / 高分解能質量分析計 / 未規制汚染物質 / 未知スクリーニング分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、固相抽出カートリッジを用いた前処理と、大容量直接注入での分析について、検出できる有機物コンポーネントを比較し、各試料に適した前処理方法を明らかにした。その結果、固相抽出カートリッジPPLに比べ1/10量の試料を注入した場合でも、ほぼ同数のコンポーネントが検出された。また1/5の試料量を注入した場合には1.5倍程度のコンポーネントが検出された。このことから、検出できるコンポーネント数の観点からは大容量直接注入法は有効であることが明らかとなった。また、検出されたコンポーネントの組成を、LC分析の保持時間で見た場合には、大容量直接注入法は保持時間が早い成分に集中していたのに対し、固相抽出カートリッジPPLでは幅広い保持時間で検出されていた。このことから、固相抽出による方法にくらべ、大容量直接注入法で検出されるコンポーネントは親水性の画分が主体となっていることが明らかとなった。 また、次年度以降、河川流下過程および浄水処理工程、下水処理プロセスの試料を各分担研究機関でそれぞれが分析するため、下水処理水の影響を受けた河川水3地点の試料を画分担機関で共有し、同一試料を測定した。その結果、ターゲットスクリーニング分析においては10物質について共通して検出され、それらの濃度の定量値は最大でもおおむね2倍以内であり、スクリーニング分析として許容できる範囲の違いであった。また、ノンターゲットスクリーニング分析においても、ほぼ同数のコンポーネントが検出されることが確認できた。 加えて、ノンターゲット分析における手法開発の一環として、データ解析手法の検討や、構造推定について検討を進め、今後の研究開発の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り分担者との共同分析の実施を行い、データ解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果をもとに次年度以降は、流域の水利用と密接に関連がある試料の分析を通じて、流域における物質の消長を明らかにしていく研究へと展開する。
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