2021 Fiscal Year Annual Research Report
非局所反応拡散方程式に現れる空間パターンの時間変化の解析
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21J10036
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石井 宙志 北海道大学, 理学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 非局所効果 / 局在パターン / パターン形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまず,非局所効果が十分小さい場合に非局所反応拡散方程式の空間パターンがどのように時間変化するか考察した.ある仮定の下では複数のフロント型局在パターンの重ね合わせで近似可能な時間発展する解の存在を示し,それぞれの局在パターンの位置の時間発展を積分核の不定積分を含む常微分方程式によって特徴づけすることに成功した.この結果により積分核の与え方によって多様な解の挙動が現れることを数学的に厳密に示すことができた.現在は仮定をより一般化することを試みている. また,単独の局在パターンについての数理解析も進めており,存在や安定性の他に局在パターンの性質を数理モデルに含まれるパラメータで特徴づけすることを試みている.この研究で得られた形式的な結果の一部は,共同研究で提案された数理モデルに対する数理解析の結果としてまとめ,学術論文として投稿中である. 次に,反応拡散ネットワークから形式的に導出される,ネットワークの情報が縮約された非局所効果を持つ数理モデルを導出するEffective nonlocal kernelを用いたモデリング手法の数学的妥当性について考察を行った.ある特定の条件を満たす反応拡散ネットワークから定まる線形の非局所反応拡散方程式の解は,十分時間が立てば情報が縮約された数理モデルの解に収束することを明らかにした.今後はより一般的な仮定の下で妥当性を示し,モデリングへの応用に向けた解析を行っていく. さらに,縮約された方程式の解の挙動の考察,および非局所効果による空間伝搬について考察するために,空間2階微分で記述される拡散方程式と畳み込み積分で記述される非局所拡散方程式の解の零点の漸近挙動について解析した.これら2つの方程式の場合には零点集合の上界や零点の漸近挙動で違いが現れることを明らかにした.これらの成果の一部は研究集会で発表するとともに,学術論文として投稿中である.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)